中1の娘が、夏休みの意見文の前で完全に止まっていました。原稿用紙は真っ白で、何を書けばいいのか分からない、と言うので、私が代わりに考えるところから始まりました。
最初はAIに書かせました。出てきたのは中1が書くはずのない立派な文章で、結局それを娘のレベルまで下げる作業を私がやることになりました。これは娘の役にも私の役にも立っていないな、と手を止めました。
それで、文章そのものではなく「考える順番」のほうを道具にできないかと考えて、Googleスプレッドシートで穴埋め式の作文ツールを作ってみました。以下、シートと呼びます。同じところで困っている方もいると思うので、そのまま配ります。使い方と、作ってみて分かったことを書きます。
📌 この記事の結論
中学生の意見文用に、黄色いマスへ短く答えていくと段落がつながる「作文作成ツール」を作りました。書いた文はとなりの原稿用紙タブに自動で流れますので、書き写す手間はありません。お題は空欄なので、賛成反対型でも自由テーマ型でも使えます。Googleスプレッドシートの「コピーを作成」リンクで配っています(Googleアカウントだけ・タブ2枚・スクリプトなし)。本文をAIに書かせる機能は入れていません。まだ試作ですので、おかしなところがあれば教えてください。
» 配るのは「作文作成ツール」というスプレッドシートです
やったことは単純で、意見文の型を4つに割って、それぞれを小さな質問に分けただけです。書く順番に、上から下へ並んでいます。タブは「設計図」と「原稿用紙」の2枚で、書きこむのは設計図だけです。
どんな課題?
課題のタイプ(賛成反対か、自分でテーマを決めるか)を選び、お題と、自分の意見を1文だけ書く。ここが半分です。
材料あつめ
5つの質問にメモで答える。「反対の人は何て言う?」が必須です。
自分のことばで書く
①②の答えから見本の段落が自動で出るので、それを小さなマスに分けて書き直す。
仕上げ
いま何字か、あと何字か、文末がそろっているかをシートが数えます。書いた文は、となりの原稿用紙タブへ自動で流れます。
実際の画面はこうなっています。黄色いマスが「書くところ」で、色が付いていないところは全部自動です。

ポイントは③です。ここで白紙を渡さないようにしました。「第2段落を書こう」ではなく「なぜなら…」「そのときの様子」「そのとき思ったこと」と小さく聞きます。1マス40字くらいなら、うちの娘でも手が止まりませんでした。
②で反対意見を必ず1マス使わせるのも意図的です。意見文が意見文になるかどうかは、だいたいここで決まります。そして、AIに本文を書かせる機能は入れていません。入れたら、作った意味がなくなります。
» 使い方は3ステップだけです
下の配布リンクから自分のコピーを作ったら、あとはこの順に上から埋めていくだけです。
- いちばん上に、先生に言われた字数を入れる。下限と上限の2つです。ここを入れないと、あと何字かが出ません
- 黄色いマスに短く答える。書けないマスは飛ばして構いません
- 青いマス(見本)を、下の小さなマスに分けて書き写す。そのとき「です・ます」に直します
③の見本は、①と②で書いたことから自動で組み上がります。下の画像だと、①に書いた「授業中は先生に預けるべきだと思う」が、青いマスでは「私は、授業中は先生に預けるべきだと思います。」に変わっています。「です・ます」もここで直ります。

右はしの「23字(34〜60)」は、そのマスのめやす字数です。下限に届くと緑になります。この画像では1マス目が赤くなっていて、「⚠です・ます」と出ています。「〜と思う」で終わっているからです。全体で何個ある、ではなくどのマスかを出すようにしました。個数だけ出しても、中学生には探せませんでした。
最後の④で、いま何字か・あと何字か・文末がそろっているかが出ます。

足りないときは「右はしが緑になっていないマスを長くする」と出します。どこを伸ばせばいいかが色で分かるようにしたかったからです。
» シートの配布リンク
下のリンクを開くと「コピーを作成」のボタンが出ます。押すと自分のGoogleドライブにコピーができて、そこから自由に書き込めます。私の元ファイルは書き換わりません。
使ってみて合わなければ、自分のコピーなので好きに書き換えて構いません。質問の文を変えるのがいちばん手っ取り早いです。
» 学校の宿題や授業で使っても大丈夫です(ただし試作品です)
先に正直なところを書きます。これは試作品です。まだ娘ひとりと私しか使っていません。おかしなところは必ず残っていると思います。
うまく動かない、ここが分かりにくい、こう直したほうがいい。そういうものがあれば、X(@yoMa483931)か、この記事の下のコメント欄、またはお問い合わせから教えてください。直して差し替えます。それがいちばん助かります。
そのうえで、宿題や授業で使うことについてです。このツールに生成AIは入っていません。中身は表計算の数式(文字を置き換える・数える)だけです。文章にするのは本人で、青いマスに出る見本も、①と②で本人が書いた言葉を並べ替えているだけです。機械が足しているのは「なぜなら」「たしかに」「だから私は」のようなつなぎの言葉と、文末を「です・ます」にそろえる処理だけです。
文部科学省の生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)が問題にしているのは「生成AIの出力をそのまま自分の成果物として提出すること」です。このツールはそこには当たらないと考えています。ただ、最終的に良いかどうかを決めるのは学校の先生です。迷ったら、シートごと先生に見せてください。
- ・学校でそのまま配ってもらっても構いません。ただし試作品なので、先に一度、先生ご自身で通して使ってみてください
- ・シートは何も送信しません。スクリプトも入っていないので、書いた内容が私や他の誰かに届くことはありません
- ・コンクールに出す場合は主催者の規定が優先です。たとえば青少年読書感想文全国コンクールは手書き提出が原則なので、画面の原稿用紙は下書きとして使ってください
私がこれを作ったのは、作文をAIに丸投げするのをやめたかったからです。渡したいのは文章ではなく、自分で考える順番のほうでした。そこが伝わる形になっているなら、使われ方はどこでも構いません。
» 作ってみて分かったこと
ここからは、道具のほうの話です。2日で何度も作り直しました。出てきた不具合は、全部「使わせてみて初めて分かったこと」でした。
字数を先に聞いていませんでした
最初のシートは400字前提で作りました。原稿用紙1枚のつもりだったからです。実際の課題は800〜1600字でした。全12マスをめやすどおりに埋めても450字にしかならないので、マスを全部埋めても課題が終わらない道具を渡していたことになります。型とテーマは聞いたのに、字数だけ聞いていませんでした。
いまは新しい課題が出たら「何字? 下限と上限は?」から聞くようにしています。
説明を足すほど、使われなくなりました
娘から返ってきた感想は一つだけで、「あまり字が多いとめんどくさい」でした。親切のつもりで書いた使い方・注意点・コツは、読まれていませんでした。
そこからシート全体を73行から54行まで削りました。消したのは説明文と、同じことを二度出している表示です。削らなかったのは各行の右に出る例文だけでした。あれが「白紙を渡さない」の本体なので、ここだけは触っていません。
見本が完成文だったので、丸写しされました
最初は段落まるごとの完成文を見本に出していました。娘はそれを1マス目に丸ごとコピーして、残りが空のまま終わっていました。第2段落が66字で止まっていたので気づきました。いまは見本の右に「↓1マスずつ です・ますに直して写す」と出しています。
自動チェックが「合格」と言いながら、壊れていました
ここがいちばんまずかったところです。自分でも中学生のつもりで1本書いてみたら、チェックは緑で「話し言葉は見つかりません」と表示されていました。その表示のすぐ上に、こう出ていました。
なぜなら、お祭りの片づけを大人だけでやってるからです。
②のマスに「やってる」と書くと、それが自動の見本にそのまま流れる作りでした。そしてチェックのほうは、③で書いた本文しか見ていませんでした。見本を検査していないのに、画面には「見つかりません」と出る。見本を写して書く子がいちばん困ります。いまは、汚れた文を出さないように、見本の側で直してから出しています。
直そうとして、自分で全部壊しました
文末を「です・ます」に直す規則を増やしたら、見本がこうなりました。
私は、授業中は先生に預けるべきだと思いまします。
「す。」を「します。」に変える規則を足したせいです。ていねい語はすべて「す。」で終わるので、直したそばから二度変換されていました。
結局、危ない規則は語ごとに書き並べる形に変えて、直せない言葉は直さないまま残すことにしました。まちがって直すよりましだからです。だから見本の右に「です・ますに直して写す」と出しています。
ちなみに、接続詞のぎこちなさや誤字は機械では直せませんでした。そこは声に出して読ませて、つっかえたところだけ本人に直させています。親のほうは、直してあげたくなるのを我慢する係でした。これが思ったよりむずかしいです。
» 原稿用紙は、となりのタブに自動で流れます
じつは一度、原稿用紙を作るのをやめようとしました。調べたら縦書き原稿用紙作成シートという無料の配布物があって、禁則処理あり・400〜2000字対応・マス数もカスタム可。うちの自作は禁則処理がなく字数も固定なので、原稿用紙そのものの出来では勝てません。
ただ、あちらはできあがった文章を貼りつけて使う道具です。設計図で書いたあと、もう一度そっちへ貼りに行く手間が残ります。質問に答えたら、そのまま隣のマス目に流れてほしい。それなら自分で持っている意味があると思い直して、原稿用紙タブを残しました。
20字×20行の縦書きで、3枚ぶん(60行)あります。設計図の「できた文」が段落ごとに流れ込み、段落が変わると必ず新しい行から始まります。書きこむ場所は1つもありません。

下に「いま387字/ねらい400〜800字/22行目まで(全60行)」のように出るので、原稿用紙の側でも残りが分かります。
ただし禁則処理はしていません。行のいちばん上に「。」や「、」が来ることがあります。手で清書するときは前の行の最後のマスへ入れてください。きれいに印刷したいときは、上の縦書き原稿用紙作成シートのほうが上です(このツールとは別の、他の方の配布物です)。私のシートの④にもリンクを入れてあります。
» いま、娘はこれで書いています
娘は途中まで書き進めています。書き上がったかどうかは、まだ結果を見ていません。うまくいったかどうかを先に書けないのが少し落ち着かないのですが、そこは分かった時点で追記します。
ひとつだけ言えるのは、シートがやったのは「何を書くか」と「どう並べるか」を分けたことだけで、文章にしたのは本人だということです。3〜4回使って型が入ったら、もう要らなくなる道具のつもりで作りました。
このブログは普段、40代会社員のお金と朝活のことを書いています。今回はまったくの畑違いですが、同じところで止まっているご家庭に届けばと思って残しました(このブログを始めたきっかけ)。
- ✅ 中学生の意見文用の穴埋めシートを、コピーリンクで配っています(シートを開く)
- ✅ 黄色いマスに短く答えると、段落の見本が自動で出ます。本文はAIに書かせません
- ✅ 字数・文末・話し言葉はシートが数えます。ただし直すのは本人です
- ✅ 課題の字数(下限と上限)を最初に入れてください。ここを聞かずに作って一度失敗しました
- ✅ 書いた文はとなりの原稿用紙タブに自動で流れます。ただし禁則処理はないので、きれいに印刷したいときは既存のツールへ
- ✅ 生成AIは使っていません。学校の授業や宿題で使ってもらって構いません。ただし試作品なので、直したほうがよい点はXかコメント欄で教えてください
不具合は、自分で作っている間はひとつも出ませんでした。出たのは全部人に使わせてからです。同じところで止まっているお子さんの役に立てば嬉しいです。
朝5時ごろに新しい記事を更新しています。

