「保険料が高い気がするけど、削っていいのかわからない」——会社員の方から最もよく聞く悩みのひとつです。正直なところ、会社員の多くは保険に入りすぎています。
その理由は、会社員には国の社会保障(健康保険・高額療養費制度・傷病手当金など)がすでに充実しているからです。本記事では、保険を見直す際の具体的な判断基準を解説します。
まず知っておくべき「会社員の公的保障」
民間保険を見直す前に、会社員がすでに持っている公的保障を把握しましょう。これを知るだけで「自分にどれだけ民間保険が必要か」が明確になります。
①高額療養費制度
月の医療費が一定額を超えた分は、国が負担してくれます。年収約370〜770万円の会社員なら、月の自己負担上限は約8〜9万円です。どんな大きな手術・入院でも、自己負担はこの金額を超えません。
→ 「入院したら100万円かかる」という医療保険の売り文句は、高額療養費制度があれば実態と大きくズレています。
②傷病手当金
病気やケガで仕事を休んだとき、給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給されます。長期入院・療養でも収入がゼロにはなりません。
③遺族年金・障害年金
死亡・重度障害の場合も、厚生年金から遺族厚生年金・障害厚生年金が支給されます。特に子どもが小さい家庭への遺族年金は相当額になります。
保険を見直す4つの判断基準
判断基準①:医療保険——月3,000円以上払っているなら要見直し
高額療養費制度があるため、入院の自己負担は月9万円以内に収まります。それ以上の保障に月5,000〜10,000円を払っているなら、過剰保障の可能性大です。
- 入院給付金:日額5,000円以下で十分なケースが多い
- 先進医療特約:年間の利用者は極めて少なく、費用対効果は低い場合も
- 「がん診断一時金」は貯蓄で賄えるなら不要
判断基準②:生命保険——独身・子なしは最小限でOK
生命保険は「自分が死んだとき、誰かが困るか」で判断します。
- 独身・子なし:葬儀代程度(100〜300万円)の保障があれば十分
- 共働き・子あり:収入が途絶えたときの生活費補填として、子どもが独立するまでの期間限定で加入(定期保険が割安)
- 専業主婦(夫)家庭:収入の多い方に手厚い保障が必要
判断基準③:貯蓄型保険——解約してNISAに移す方が有利なことが多い
終身保険・個人年金保険などの「貯蓄型」は、保障と貯蓄が混在しています。しかし返戻率が低く、NISA(インデックス投資)と比較すると見劣りします。
| 比較項目 | 貯蓄型保険 | NISA(インデックス投資) |
|---|---|---|
| 期待リターン | 年0.5〜1%程度 | 年5〜7%(長期平均) |
| 流動性 | 低い(解約損が出る) | 高い(いつでも換金可) |
| 税制優遇 | なし | 運用益非課税 |
すでに加入中の場合、解約すると損が出ることもあります。まずFP(ファイナンシャルプランナー)に相談して、損益分岐点を確認しましょう。
判断基準④:車・火災保険——削りすぎは危険
医療保険や生命保険は削れる余地が大きい一方、車の対人・対物賠償保険と火災保険は削ってはいけません。一度の事故・災害で数千万円の損害賠償が生じる可能性があるからです。
- 車の対人・対物:無制限が基本
- 火災保険:建物・家財の実額補償を確保
- 地震保険:火災保険とセットで加入推奨(地震は火災保険でカバーされない)
保険見直しの手順:3ステップ
- ステップ1:現在加入中の保険をすべてリストアップ(保険証券を引っ張り出す)
- ステップ2:無料のFP相談(保険チャンネル・マネーキャリアなど)で第三者の意見をもらう
- ステップ3:不要な保険を解約し、削減できた保険料をNISAの積立投資に回す
まとめ:保険は「万が一のリスク移転」、貯蓄はNISAで
保険の役割は「自分では到底対処できないリスク」にだけ備えることです。高額療養費制度で賄えるリスクに過剰に保険をかけるのは、お金の無駄遣いになります。
見直しで浮いた保険料をNISAの積立に回す——これが会社員の資産形成において最も効率的な一手です。まずは今の保険証券を引っ張り出して、何に・いくら払っているかを確認するところから始めましょう。


コメント