楽天経済圏

クレカ積立の損益分岐点|楽天ゴールドは年88万円・プレミアムは届かない

楽天証券のクレカ積立で年会費の元が取れる年間積立額の比較図。楽天ゴールドは年88万円で積立上限の年120万円の内側、楽天プレミアムは年220万円で上限を超えるため届かないことを示している
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楽天証券のクレカ積立だけで年会費の元を取るなら、楽天ゴールドカードは年88万円(月7.4万円)の積立が分岐点で、楽天プレミアムカードは上限まで積んでも回収できません。積立額の上限が月10万円と決まっているためです。

私は2020年に楽天ゴールドカードを作り、2022年に楽天プレミアムカードへ切り替えて、2024年1月に年会費無料の楽天カードへ戻しました。3枚とも自分の名義で使ったうえで通常カードに落ち着いた側の人間なので、その計算と、戻したときに何が困って何が困らなかったかを書いておきます。

📌 この記事の結論

クレカ積立で差がつくのは低コストのインデックス投信を積んだときだけで、その差はゴールドで0.25%、プレミアムで0.5%です。上限の月10万円まで積んでも、年会費を引いた手残りはゴールドが年6,800ポイント、通常カードが年6,000ポイント。差は年800ポイントしかありません。プレミアムは手残り年1,000ポイントで、通常カードに負けます。

» 楽天証券のクレカ積立、3枚でどれだけ違うのか

まず、判断の材料になる数字だけを並べます。楽天市場の倍率やラウンジの話はいったん脇に置いて、クレカ積立と年会費だけを見た表です。

項目楽天カードゴールドプレミアム
年会費永年無料2,200円11,000円
クレカ積立の還元率
(代行手数料 年0.4%未満)
0.5%0.75%1%
クレカ積立の還元率
(代行手数料 年0.4%以上)
1%1%1%
積立の上限月10万円(3枚とも同じ)
ETCカード年会費550円
ダイヤモンド・プラチナ会員は無料
無料無料
ご利用可能枠最高100万円最高200万円最高300万円

ここで先に言っておきたいのが、表の3行目です。代行手数料が年0.4%以上のファンドを積む場合、3枚とも1%で横並びになります。カードのランクを上げても1円も差がつきません。この点は後の見出しで詳しく書きます。

なお楽天証券の口座がまだの方は、楽天証券の口座開設方法と楽天カード積立の設定手順にまとめています。カードのランクを考えるのは、口座と積立設定が終わったあとで十分です。

» クレカ積立の損益分岐点は、ゴールド年88万円・プレミアムは届かない

低コストのインデックス投信(代行手数料が年0.4%未満のもの)を積む前提で計算します。通常カードとの差は、ゴールドが0.25%、プレミアムが0.5%です。年会費をこの差で割れば、必要な年間積立額が出ます。

💰 年間いくら積み立てれば年会費の元が取れる?

① 楽天カード → ゴールド(年会費2,200円)

2,200円 ÷ 0.25% = 年88万円(月7.4万円)。上限は月10万円なので、ここは手が届きます。毎月7.4万円以上をクレカ積立に回している人なら、ゴールドの年会費はクレカ積立だけで回収できます。

② 楽天カード → プレミアム(年会費11,000円)

11,000円 ÷ 0.5% = 年220万円(月18.3万円)が必要です。ところが積立の上限は月10万円。制度上、クレカ積立だけでプレミアムの年会費を回収することはできません。

③ ゴールド → プレミアム(年会費の差8,800円)

両者の還元率の差も0.25%なので、8,800円 ÷ 0.25% = 年352万円。こちらはさらに遠く、上限の3倍近い金額です。

上限いっぱいの月10万円(年120万円)を積んだときに、年会費を引いて手元に何ポイント残るかも出しておきます。この表がいちばん身も蓋もない答えだと思います。

カード年間ポイント
(年120万円積立)
年会費差引きの手残り
楽天カード6,000P0円6,000P
ゴールド9,000P2,200円6,800P
プレミアム12,000P11,000円1,000P

上限まで積んだ最大効率でも、ゴールドと通常カードの差は年800ポイント。月にすると67ポイントです。この差のために年会費を先に払って、毎月10万円を積み続ける前提を置けるかどうか、という判断になります。私はこの数字を出した時点で、戻したままでいいと思いました。

» 楽天市場も使う人は、分岐点がここまで下がる

「自分は楽天市場でも買い物をするから、もっと早く元が取れるのでは」と思った方へ。ここは私も勘違いしていたところなので、順番に整理します。

まず、楽天市場の通常の買い物では、ゴールドと通常カードの差は1円も増えません。2021年4月の改定でゴールドの上乗せ(SPU)が廃止され、いまは楽天市場の還元倍率が通常カードと同じだからです。楽天市場で年100万円使っても、この2枚の差はゼロです。

差がつくのはお誕生月の+1倍だけ。これはブラック・プレミアム・ゴールドだけの特典で、通常カードには付きません。ゴールドの上限は月2,000ポイントです。これをクレカ積立と合わせると、必要な積立額はここまで下がります。

誕生月に楽天市場で使う額もらえるポイント年会費の元が取れる年間積立額
使わない0P88万円(月7.4万円)
5万円500P68万円(月5.7万円)
10万円1,000P48万円(月4.0万円)
20万円(上限に到達)2,000P8万円(月6,700円)

誕生月に買い物を寄せられる人なら、分岐点はぐっと下がります。ただし条件が3つあります。

  • ①上限は月2,000ポイントなので、誕生月に20万円を超えて使っても増えません
  • ②誕生月以外の月にいくら使っても、この差は1円も増えません
  • ③そもそも誕生月に20万円分の買う予定がある人の話です(年会費のために前倒しで買うなら本末転倒です)

ふるさと納税を誕生月に寄せる手も考えられますが、ここは注意が必要です。2025年10月から、ふるさと納税は楽天市場側の通常ポイントも買いまわりも付与対象外になりました(総務省の告示によるもので、楽天に限らずすべてのポータルサイトが対象です)。

楽天の公式案内では「カード決済に伴って付与されるポイントは引き続きカード会社から付与される」とされているので、カード利用額で計算されるお誕生月の+1倍は対象に残ると読めます。ただし「お誕生月特典分」を名指しした記述までは見つけられなかったので、断定はしません。実際に付いたかどうかはポイント履歴で確認できます。

プレミアムはお誕生月の上限が月10,000ポイントと大きいのですが、そこに届かせるには誕生月の1ヶ月だけで100万円の買い物が必要です。火・木の+1倍を足しても、年会費11,000円は楽天市場側でもかなり高い壁になります。

» 落とし穴:ファンドによっては3枚とも1%で横並びになる

楽天証券クレカ積立の還元率は代行手数料で二段構え。年0.4%未満のファンドは通常0.5%・ゴールド0.75%・プレミアム1%で差がつき、年0.4%以上のファンドは3枚とも一律1%で差はゼロ
図解:クレカ積立の還元率は、ファンドの代行手数料 年0.4%で二段構えになっている

ここが調べていていちばん驚いたところでした。楽天証券のクレカ積立の還元率は、カードのランクだけで決まっているわけではありません。積み立てるファンドの「代行手数料」がいくらかで二段構えになっています。

  • 代行手数料が年0.4%(税込)未満のファンド … 通常0.5%/ゴールド0.75%/プレミアム1%(ここで差がつく
  • 代行手数料が年0.4%(税込)以上のファンド … 3枚とも一律1%差はゼロ

代行手数料というのは、信託報酬のうち販売会社(この場合は楽天証券)が受け取る分のことです。低コストで人気のインデックス投信は、この代行手数料も低く設定されているものが多いため、0.4%未満のほう=差がつくほうに入ります。つまりこの記事の損益分岐点の計算は、そういうファンドを積んでいる人向けの話です。

逆に言えば、還元率を上げたいからという理由でカードのランクを上げても、積んでいるファンド次第では1円も変わりません。どのファンドを選ぶかは投資そのものの話なので、ここでは踏み込みません。ただ「カードのランクを上げれば必ず還元率が上がる」と思い込んでいると、前提から外れることがある、という点だけは知っておいて損はないと思います。

» ゴールドもプレミアムも持って、通常カードに戻すまでの4年間

計算だけなら誰でもできるので、実際にどう動いたかも書いておきます。カード会社からのメールを遡って日付を確認しました。

時期やったこと
2020年10月楽天ゴールドカードを申し込み。もともと持っていた通常カードは残したまま、2枚目として追加
2022年1月楽天プレミアムカードへ切り替え。ダイヤモンド会員向けに「切り替えでポイント進呈」の案内が何度も届いていた時期でした
2024年1月年会費無料の楽天カードへ戻す。切り替え手続きは申し込みから2週間ほどで完了
2024年2月払い済みだったプレミアムの年会費が、月割りで指定口座に返金される

ゴールドが1年3ヶ月、プレミアムが2年。合わせて3年3ヶ月ほど年会費を払っていた計算になります。戻してからは2年半、通常カードのままです。

戻す決め手になったのは、特典を1つずつ数えていったときに、自分が使えている特典がほとんど無かったことでした。

  • プライオリティ・パス … 海外旅行に行かないので出番がない
  • 国内の空港ラウンジ … 飛行機に乗るのが年に1回あるかないかでは、年2回の枠を使い切れない
  • 楽天市場の上乗せぶん … 私の買い方だと、年会費に届く金額にはならなかった

もうひとつ、上位カードに戻れない理由が改定の多さです。切り替えて数年経つと条件が変わり、また計算し直して切り替える。その手続きが地味に面倒で、「だったら最初から年会費無料でいいか」というのが今の気持ちです。

ちなみに、私は楽天のダイヤモンド会員なのでETCカードの年会費は通常カードでも無料です。上位カードの特典としてよく挙がる「ETC無料」は、会員ランク次第では最初から差になりません。ここは自分の条件を先に確認したほうがいい部分だと思います。

戻して不便だったことも正直に書いておくと、ひとつだけあります。通常カードは利用可能枠が最高100万円で、旅行や帰省が重なる月はこの上限にぶつかることがありました。ゴールドなら200万円、プレミアムなら300万円まで上がるので、その都度「切り替えようかな」と思います。

ただ出費がかさむのは年に一度あるかないかで、通常月はまったく問題なく使えています。上限にぶつかる面倒さが使いすぎの歯止めになっている面もあり、結局そのままにしています。

» クレカ積立以外の損益分岐点(楽天市場・空港ラウンジ)

クレカ積立以外にも上位カードの特典はあるので、そちらの分岐点もまとめておきます。「どれがいいか」で迷っている方は、こちらの表と見比べてみてください。

特典中身元が取れるライン
ゴールド
楽天市場
通常カードと同じ倍率。差はお誕生月の+1倍だけ(上限は月2,000ポイント)ポイント単独では回収できない
誕生月に20万円使っても2,000ポイント
ゴールド
ラウンジ・ETC
国内空港ラウンジ年2回無料+ETCカード無料飛行機に年2回乗るなら回収できる
ETC無料はダイヤモンド・プラチナ会員には差にならない
プレミアム
楽天市場
火・木曜の楽天市場で+1倍(要登録・上限は月10,000ポイント)火・木に限って年110万円の買い物
誕生月の上乗せは年1ヶ月ぶんだけ
プレミアム
プライオリティ・パス
海外空港ラウンジが年5回まで無料(6回目以降は有料)海外に行く人なら回収しやすい
国内メインの生活だと出番がない

並べてみると、上位カードの価値はポイントよりも空港まわりの特典に寄っているのがわかります。裏を返すと、飛行機に乗らない人がポイントだけで年会費を取り戻すのは、クレカ積立でも楽天市場でもかなり厳しいということです。

» タイプ別に、どれを選べばいいか

こんな人向いているカード理由
クレカ積立が月7.4万円未満で、誕生月のまとめ買いもしない楽天カード年会費のぶんを還元率の差で取り戻せないため
クレカ積立が月7.4万円以上、かつ低コスト投信ゴールド上限まで積んでも差は年800ポイント。急ぐ必要はない
誕生月に楽天市場で10万円以上まとめ買いするゴールド誕生月の+1倍と合わせると、積立は年48万円で足りる
出張・帰省で年2回以上飛行機に乗るゴールド空港ラウンジ年2回で年会費のぶんは取り戻せる
海外旅行・出張が多いプレミアムプライオリティ・パス目的なら。積立目的では回収できない

迷ったらまず年会費無料の楽天カードから始めて、積立額が月7.4万円を超えたり、誕生月にまとめ買いする習慣ができたり、飛行機に乗る機会が増えたりしたらゴールドを考える、という順番がいちばん損をしません。切り替えはあとからでもできますし、私のように戻すこともできます。

貯めたポイントの使い道や、楽天経済圏の全体像は楽天カードを20年使い続ける理由|年間7万ポイントの貯め方に書きました。よかったら合わせて読んでみてください。

なお、同じ「上限があるせいで届かない」という話は、楽天市場のお買い物マラソンにもあります。買い回りの上限に届く購入額と、「あと1店舗」の買い足しが得になる境目は楽天お買い物マラソンの上限と損益分岐点|買い足しが得になるのは9万円からで計算しました。

📌 まとめ:クレカ積立の損益分岐点

  1. ゴールドの分岐点は、クレカ積立だけなら年88万円(月7.4万円)
  2. 誕生月に楽天市場で20万円使うなら年8万円まで下がる(通常月の買い物では差は増えない)
  3. プレミアムは年220万円が必要で、上限の月10万円では届かない
  4. 上限まで積んでも、ゴールドと通常カードの差は年800ポイント
  5. 代行手数料が年0.4%以上のファンドなら3枚とも1%で差はゼロ
  6. ETC無料はダイヤモンド・プラチナ会員には差にならない

私はゴールドもプレミアムも持ったうえで通常カードに戻しました。上位カードが損というより、自分が使える特典があるかどうかで決まる、というのが3枚使ってみた実感です。

※本記事はカードの年会費とポイントの損得を整理したもので、投資商品をおすすめするものではありません。還元率・年会費・特典の内容は改定されることがあります。お申し込み前に必ず楽天カード・楽天証券の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

▼ この記事で紹介した楽天カード ▼

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