「iDeCoって、新NISAが始まったら意味なくなるの?」
2024年に新NISAがスタートしてから、こういう疑問をよく見かけるようになりました。わたし自身も同じことを考えて、2020年から続けていたiDeCoの使い方を大きく見直したひとりです。
結論を先に言います。わたしは2024年、iDeCoの掛け金を月12,000円から月5,000円(最低額)に下げました。でも「やめた」わけではありません。「縮小して継続」という判断です。
今日は、その理由と、4年間iDeCoを続けて感じた節税効果の実態をすべて書きます。「iDeCoを続けるべきか迷っている」という40代会社員の方の参考になれば嬉しいです。
📋 この記事でわかること
- iDeCoと新NISAの違い・税制メリットの使い分け
- 月12,000円・4年間のiDeCo節税効果の実績
- 40代会社員が掛け金を月5,000円に下げた理由
- iDeCo vs 新NISA、優先順位の考え方
iDeCoを始めたのは2020年、きっかけはリベ大だった
iDeCoのことを初めてちゃんと理解したのは、YouTubeでリベ大(リベラルアーツ大学)の両学長の動画を見たときです。2020年頃のことでした。
「掛け金が全額所得控除になる」「運用益が非課税になる」「受け取り時も控除がある」という三重の税制優遇。これを使っていないのは純粋に損だと感じて、すぐに楽天証券でiDeCo口座を開設しました。
会社員のiDeCoの掛け金上限は、会社の企業年金の有無によって変わります(2026年の改正で上限額が変わる方もいます)。わたしの場合、会社の規定での上限は月12,000円。迷わずその上限額でスタートしました。
そもそもiDeCoの仕組みをざっくりおさらい
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、毎月一定額を積み立てながら老後資金を作る制度です。会社員・自営業者・専業主婦など、幅広い方が加入できます。
大きな特徴は3つの税制優遇です。
- 掛け金が全額所得控除:毎月の掛け金がそのまま所得から引かれるため、所得税と住民税が安くなる
- 運用益が非課税:通常の投資では運用益に約20%の税金がかかるが、iDeCoは非課税
- 受け取り時も控除あり:60歳以降に受け取るとき、一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除が使える
ただし、注意点もあります。原則60歳まで資金を引き出せないこと、口座管理手数料が毎月かかること(金融機関による)、受け取り方によっては税金が発生すること。これらを理解した上で使うことが大切です。
iDeCo 基本スペック早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 20〜65歳の国民年金被保険者 |
| 月の最低掛け金 | 5,000円 |
| 会社員の月上限 | 23,000円(企業年金なしの場合) |
| 掛け金の税制優遇 | 全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除) |
| 受け取り開始年齢 | 60〜75歳 |
| 途中解約 | 原則不可(60歳まで引き出せない) |
月12,000円を4年続けた節税効果はどのくらいだったか
iDeCoの節税メリットをもっとも実感できるのが、毎年の確定申告です。
iDeCoの掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得から差し引かれます。月12,000円なら年間144,000円が控除対象。所得税率20%・住民税率10%の場合、年間で約43,000円の節税になります。4年間続ければ累計17万円以上の節税効果です。
わたしはふるさと納税もやっていて、毎年確定申告を行っています。実際の還付金の合計は年間2〜3万円程度。「iDeCo単体でいくら戻ってきたか」を正確に分けることは難しいですが、確定申告のたびに税負担がしっかり下がっている実感はありました。
iDeCoの節税が優れているのは「何もしなくても節税できる」仕組みになっていることです。毎月の掛け金が自動的に控除されていくので、特別な手間なく税負担を下げ続けられます。給与天引きに近いイメージで、気づいたら節税できているのがiDeCoの強みです。
特に所得の高い方ほど節税効果は大きくなります。所得税率が高ければ高いほど、控除の恩恵が増えるからです。年収500万円以上の会社員なら、iDeCoの掛け金控除は非常に効果的な節税手段と言えます。
iDeCo 節税効果シミュレーション(掛け金 月12,000円・年144,000円)
| 所得税率 | 所得税の節税/年 | 住民税の節税/年 | 合計節税額/年 | 4年累計 |
|---|---|---|---|---|
| 5%(〜195万円) | 7,200円 | 14,400円 | 21,600円 | 約86,400円 |
| 10%(〜330万円) | 14,400円 | 14,400円 | 28,800円 | 約115,200円 |
| 20%(〜695万円) | 28,800円 | 14,400円 | 43,200円 | 約172,800円 |
| 23%(〜900万円) | 33,120円 | 14,400円 | 47,520円 | 約190,000円 |
iDeCoの運用商品はアメリカ株式インデックス
iDeCoで選んでいる運用商品は、アメリカ株式に連動するインデックスファンドです。楽天証券では「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が人気ですが、わたしもそれに近い商品を選んでいます。
2020年以降はアメリカ株式が全体的に上昇傾向だったこともあり、運用成績はプラスで推移しています。iDeCoは運用益も非課税になるので、長期でインデックスファンドを積み立てるスタイルとの相性は抜群です。
掛け金を月5,000円に下げた後も、商品はそのまま継続しています。少額でも長期積立の効果はあるので、「最低額でも運用し続ける価値はある」というのが実感です。
2024年、新NISAが始まって考え方が大きく変わった
2024年1月から新NISAがスタートしました。年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで投資でき、生涯非課税枠は1,800万円。しかも、いつでも引き出しOK。旧NISAと比べて、格段に使いやすい制度になりました。新NISAの活用方法についてはこちらの記事でも詳しくまとめています。
この新NISAを前にして、わたしはiDeCoへの向き合い方を見直すことにしました。理由は2つあります。
理由①:iDeCoは60歳まで引き出せない
iDeCoの大きなデメリットは、原則60歳まで資金が引き出せないことです。40代のわたしにとって、これは「あと20年近くお金が使えない」ことを意味します。
子どもの教育費、住宅の修繕費、急な病気や出費……人生では予測できない出費が必ず出てきます。そのとき、iDeCoに入れたお金はまったく動かせません。老後の準備は着実にできていくけれど、それ以外のライフイベントへの対応力が下がります。これは40代に入ってから、じわじわと気になり始めたデメリットです。
一方、新NISAなら同じく非課税で運用しながら、必要なときにいつでも引き出せます。「非課税×流動性の高さ」という組み合わせは、iDeCoには真似できない強みです。
理由②:新NISAの1,800万円枠を早く埋めた方が有利
複利は時間が長いほど効果が大きくなります。新NISAの生涯非課税枠1,800万円は、早く使い始めるほど長く複利が働きます。40代なら残り20年以上の運用期間がありますが、それでも「なるべく早く枠を埋めていく」ことが有利です。
iDeCoに月12,000円を入れ続けると、新NISAに回せる資金がその分減ります。節税メリットをとるか、流動性と新NISA枠の充実を優先するか。40代の現実的な家計を考えたとき、「新NISAを優先する」という判断は合理的でした。
iDeCoを「最低額の月5,000円」で継続した理由
では、なぜiDeCoを完全にやめなかったのか。理由は明確です。「節税メリットを捨てたくなかった」からです。
新NISAは運用益が非課税になりますが、「投資した掛け金の控除」はありません。税金を引かれた後の給与から投資する形です。
iDeCoの掛け金控除は、これとまったく別の話です。税金を払う前のお金で投資できるイメージ。月5,000円でも年間60,000円が控除対象になり、年間1〜2万円の節税になります。10年継続すれば10〜20万円。この節税メリットは新NISAにはない、iDeCo固有の強みです。
だから、「iDeCoをゼロにする」のではなく「最低額で節税だけ確保する」という結論に至りました。NISAの積立を夫婦で増やしていった経緯についてはこちらの記事にも書いています。新NISAへの投資余力を最大限確保しつつ、iDeCoの節税効果もしっかり残す。両方をうまく使い分ける形です。
iDeCoと新NISAの主な違い
| 項目 | iDeCo | 新NISA |
|---|---|---|
| 掛け金控除 | あり(全額控除) | なし |
| 運用益 | 非課税 | 非課税 |
| 引き出し | 原則60歳まで不可 | いつでも可 |
| 年間上限 | 会社員は最大月2.3万円 | 年360万円 |
| 生涯上限 | なし | 1,800万円 |
iDeCo vs 新NISA、40代会社員の優先順位の正解
「iDeCoと新NISA、どっちを優先すべきですか?」という質問に対するわたしの答えは、次のとおりです。
- 新NISAを最優先で積み立てる(流動性が高く、1,800万円枠を早く使い始めた方が有利)
- iDeCoは最低額(月5,000円)だけ維持して節税メリットを確保する
- 新NISAの枠を十分に埋めた後、余裕ができればiDeCoの掛け金増額を検討する
iDeCoと新NISAは「どちらかを選ぶ」ものではなく、「役割を分けて使い分ける」ものです。iDeCoは節税専用ツールとして最低限活用し、資産形成の主力は新NISAで行う。この考え方が、40代の現実に合っていると感じています。
「iDeCo、やめようかな」と思っている方は、まず「最低額に下げる」という選択肢を検討してみてください。節税メリットを残したまま、新NISAへの配分を増やすことができます。
iDeCo vs 新NISA 徹底比較
| 比較項目 | iDeCo | 新NISA |
|---|---|---|
| 掛け金・拠出金の控除 | あり(全額所得控除) | なし |
| 運用益の非課税 | あり | あり |
| 受取時の課税 | あり(退職所得控除・公的年金等控除を活用) | なし(完全非課税) |
| 資金の引き出し | 60歳まで原則不可 | いつでも可 |
| 年間上限(会社員) | 23,000円(企業年金なしの場合) | 360万円 |
| 生涯非課税枠 | 制限なし | 1,800万円 |
| 40代会社員の優先度 | ★★☆ 最低額で節税確保 | ★★★ 最優先で積み立て |
今日の気づきメモ|iDeCoとNISAの「使い分け」が資産形成のカギ
iDeCoも新NISAも、どちらも「税制優遇のある投資制度」です。でも役割は違います。iDeCoは「節税しながら老後資金を積み上げる」ツール、新NISAは「非課税で自由に資産形成する」ツール。
どちらかをゼロにするのではなく、自分の年齢や家計の状況に合わせて配分を決めることが大切です。わたしの場合は40代・新NISA優先・iDeCo最低額維持という結論になりましたが、人によって正解は変わります。大事なのは「なぜその配分にするか」の理由をちゃんと持つことです。
今日のアクションプラン
- iDeCoに加入している人は、掛け金と新NISA積立額のバランスを確認してみる
- iDeCoをやっていない人は、勤め先の企業年金の有無と掛け金上限額を調べてみる
- 確定申告をしている人は、iDeCo控除欄(小規模企業共済等掛金控除)の金額をチェックしてみる
まとめ|iDeCoは「縮小継続」が40代の正解
- iDeCoの掛け金は全額所得控除。月12,000円なら年間約4万円の節税になる
- 確定申告でふるさと納税と合わせて年間2〜3万円の還付を毎年実感している
- 運用商品はアメリカ株式インデックスファンド。運用益も非課税で長期積立と相性が良い
- 新NISAが始まってからは、流動性の高さと1,800万円枠を優先して新NISAをメインにした
- iDeCoは「やめる」のではなく最低額の月5,000円で維持して節税効果だけ残す
- 60歳まで引き出せない制約を踏まえ、新NISAと役割を分けて両立させることが大切
iDeCoは「新NISAに負けた古い制度」ではありません。節税という点では、今でも会社員が使える最強クラスの制度のひとつです。ただ、使い方が変わった。iDeCoをゼロにするのではなく、賢く縮小して使い続けることが、40代会社員にとっての正解だと思っています。
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