資産形成・投資

複利の仕組みと長期積立の本質|5年間の実績から感じた“時間が資産をつくる”理由

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「複利」という言葉、聞いたことはあるけど正直よくわからない、という方は多いのではないでしょうか。私も投資を始めた当初は「なんとなく時間をかければ増えるもの」くらいの理解しかありませんでした。

2020年から楽天証券でeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の積立を始めて5年。資産が85万円から2,752万円まで増えた経験を通じて、「ああ、これが複利か」と実感できるようになりました。今回は数式や理論だけでなく、実際の感覚として複利の仕組みを伝えたいと思います。

この記事でわかること

  • 複利と単利の違い・なぜ長期になるほど差が開くのか
  • 「72の法則」で何年で2倍になるかを10秒で計算する方法
  • 月3万円積立×年率5%で30年後にいくらになるかのシミュレーション
  • 複利効果を最大化するNISA口座との組み合わせ方
  • 5年間積み立ててわかった「複利が本当に効き始めるタイミング」

複利とは何か|「利益がさらに利益を生む」仕組みを理解する

複利とは、投資で生まれた利益(リターン)を元本に加えて、その合計金額をさらに運用に回す仕組みです。単利は「最初に預けた元本だけに金利がかかる」のに対して、複利は「元本+これまで積み上がった利益の全てに金利がかかる」ので、時間が経つほど増え方が加速します。

具体的な数字で比べてみましょう。100万円を年率5%で運用した場合の違いです。

運用期間 単利(元本のみに利息) 複利(利益も再投資) 差額
5年後 125万円 約128万円 +3万円
10年後 150万円 約163万円 +13万円
20年後 200万円 約265万円 +65万円
30年後 250万円 約432万円 +182万円
※100万円・年率5%で計算(税・手数料除く)。理解のための概算値です。

5年では差がわずか3万円ですが、30年になると182万円の差になります。この「初めはゆっくり、後から一気に加速する」という特性が複利の本質です。

銀行預金の利息は「単利」に近い形で設計されていることが多く、年0.02%程度の普通預金では複利の恩恵はほぼゼロです。インデックスファンドへの積立投資が「長期で複利を活かしやすい」と言われる理由は、運用益を分配せずに再投資する仕組みになっているからです。

72の法則|「何年で2倍になるか」が10秒でわかる

複利を語るうえで知っておいてほしい計算式があります。「72の法則」です。72を年率リターンで割ると、資産が2倍になるまでのおおよその年数がわかります。

年率リターン 2倍になるまでの年数 計算式
2% 約36年 72÷2=36
3% 約24年 72÷3=24
5% 約14.4年 72÷5=14.4
7% 約10.3年 72÷7=10.3
10% 約7.2年 72÷10=7.2
※72の法則による概算値。実際の運用成果を保証するものではありません。

長期インデックス投資の年率リターンは5〜7%前後と言われることが多いです。仮に年率6%なら「72÷6=12年で2倍」。30代で始めれば60代には4倍近くになる計算です(2倍×2倍)。逆に言うと、銀行預金(年率0.02%)では2倍になるのに3,600年かかる計算になります。

私がこの計算をしたのは投資を始めた頃のことで、「じゃあ20年後には4倍になるのか」と少し興奮したのを覚えています。でも同時に、「20年後って自分が55歳か…なんかピンとこないな」と思ったのも正直なところです。感覚がつかめなかったのは経験がなかったからで、実際に数字が動き始めると全然違って見えてきます。

長期積立×複利のシミュレーション|毎月コツコツが最強の理由

一括投資でも複利は機能しますが、毎月積み立てる場合はさらに「ドルコスト平均法」の効果が加わります。市場が下落しているときは同じ金額で多くの口数が買えるため、平均購入単価が下がります。長期的にみると、下落局面でも積立を続けることが複利効果を高める重要な要素になります。

月3万円を年率5%で積み立てたときのシミュレーションです。

積立期間 投資元本(累計) 運用後の評価額(年率5%) 複利で増えた分
10年 360万円 約465万円 約105万円
20年 720万円 約1,233万円 約513万円
30年 1,080万円 約2,497万円 約1,417万円
※金融庁「つみたてNISAシミュレーター」参考に概算(税・手数料除く)。実際の運用成果を保証するものではありません。出典:金融庁 2024年

注目してほしいのは「複利で増えた分」の変化です。10年では105万円なのが、20年で513万円、30年で1,417万円。投資元本の増加分(720万円)より評価額の増加分(2,032万円)の方が遥かに大きい。これが「複利は時間とともに加速する」という意味です。

20年目から30年目の最後の10年間で増加額が最も大きくなるのが特徴です。「老後まで続けることに意味がある」「始めるなら早いほどいい」という言葉の根拠がここにあります。10年待った1年は、投資始めたての1年より遥かに大きな価値を持ちます。

複利効果を最大化するNISA口座の使い方

複利の効果を最大限引き出すために、税制面での最適化が重要です。投資の利益には通常20.315%の税金がかかります。複利効果は「利益を再投資する」ことで発揮されますが、税金で20%が引かれると再投資できる金額が減ってしまいます。

新NISAの非課税枠を使えば、運用益も配当も全て非課税。同じ運用成果でも「税引き後にいくら再投資できるか」が変わるため、NISAを使う・使わないで30年後の資産に大きな差が出ます。

項目 課税口座(特定口座) 新NISA(非課税口座)
運用益への税率 20.315% 0%(非課税)
年間投資上限 制限なし 360万円(つみたて枠120万+成長投資枠240万)
非課税保有限度額 なし 1,800万円
非課税保有期間 なし 無期限
※金融庁「新しいNISAの概要」より。出典:金融庁 2024年1月制度

私は楽天証券のNISA口座をメインで使い、楽天カードで積立を設定しています。カード積立で最大1.0%のポイント還元があるため、積立そのものでポイントも貯まります。月10万円の積立なら年間12,000ポイント(12,000円相当)。複利とは少し違う話ですが、こうした「使いながら貯まる仕組み」も長期継続の助けになっています。

iDeCoとNISAをどう組み合わせるかについては、iDeCoと新NISAどっちを優先すべきか40代会社員が考えた話もあわせて参考にしてみてください。

私が複利を最大化するために選んだもう一つの決断が、貯蓄型保険の解約です。妻と私それぞれが加入していた貯蓄型の終身保険・医療保険・収入保障保険などをすべて見直し、解約返戻金として約400万円が手元に戻ってきました。投資の勉強をする中で「貯蓄型保険の実質的な運用利回りは、NISAと比較すると大幅に低い」という事実を知ったのがきっかけです。保険会社に預けたままにしておくより、NISAで複利運用させた方が長期では圧倒的に有利だと判断しました。その400万円はすべて子どもたちのジュニアNISAに一括投入しました。手続き自体は保険会社に電話して書類を郵送・返送するだけで、思っていたより簡単でした。複利は「元本を大きく育てるほど加速する」仕組みです。眠らせていた資金を複利の流れに乗せることで、子どもたちの将来の資産形成に直結させることができました。

5年積み立ててわかった「複利が効き始めるタイミング」

「複利はすごい」と頭でわかっていても、始めたばかりの頃は正直なところ実感がありません。2020年に月5,000円で積立を始めた当初、最初の1年は評価額の増加が数千円〜数万円単位でした。「これが複利の力か…地味だな」と思っていたのが本音です。

変化を感じ始めたのは積立額を増やした2022年頃からです。月5,000円から始めて2年ほど経ち、少しずつ評価額が育ってきたのを実感したのが増額のきっかけでした。「複利が動き始めている。元本を大きくすれば加速する」という感覚があって、月5万円に増額することを決めました。増額したとき、それまで「1ヶ月で数千円増える」だった感覚が「1ヶ月で数万円変動する」に変わり、「あ、これが複利の加速か」と初めてリアルに実感した瞬間でした。その後、保険の整理などで手元に資金の余裕ができたこともあり、妻と相談しながら段階的に増額を続け、2024年には夫婦合計で月10万円になりました。今では「1週間で数万円動くこともある」のが普通の感覚になっています。元本が大きくなるほど、同じ年率リターンでも絶対額の動きが全然違います。これが「複利は後半に一気に加速する」という意味の実感です。

複利の実感は「元本が育つにつれて加速する」と表現するのが一番近いです。最初の2〜3年は地味でも、積み上がった資産残高が大きくなるほど、同じ年率リターンでも絶対額として大きく動くようになります。これが複利の「後半に効いてくる」という意味です。

もう一つ気づいたことがあります。積立を「止めたくなる瞬間」は決まって市場が下落しているときです。2020年のコロナショックも、2022年の世界的な株安も、そのたびに「もう止めようか」という気持ちがよぎりました。でも止めませんでした。複利は継続が前提で、途中で止めてしまうと「加速する後半」に乗れなくなるからです。

積立を続けることの大切さについては、月5,000円から始めた積立NISAが夫婦で月10万円になるまでの話にも書いています。

複利投資のリスクと注意点|「絶対増える」は嘘

ここまで複利の魅力をお伝えしてきましたが、正直に言わなければならないことがあります。

リスク・注意点 内容
元本保証はない 株式市場の長期的な下落が続けば損失が出ることもある。過去の成績は将来を保証しない。
暴落は必ず来る 長期投資の途中には大きな下落局面が必ずある。−30%以上の暴落も珍しくない。
短期の資金には不向き 5年以内に使う予定のお金は投資に回さない。複利効果は長期でしか機能しない。
インフレ・制度変更リスク NISA制度は法律で変わる可能性がある。現在の非課税ルールが将来も続くとは限らない。
※投資はリスクを伴います。運用判断はご自身の責任で行ってください。

私自身、2020年3月のコロナショックで評価額が元本を下回る、いわゆる元本割れを経験しました。楽天証券の画面を開いたら積み上げた元本よりも評価額が低くなっていて、「投資って本当に怖いな」と正直動揺しました。一瞬、積立設定を止めようと指が止まりかけたのを覚えています。でも「今は安く口数を多く買えている時期だ。ここで止めたら複利の後半の恩恵を逃す」と思い直して、そのまま続けました。2020年秋には評価額が回復し、翌年には含み益に転じました。結果的にその判断は正解でしたが、運が良かった部分もあることは正直に書いておきます。「複利は継続が前提」というのは、こういう怖い瞬間を乗り越えることでもあると、今は思っています。

「複利の力は信じる。でも結果は保証されない」。これが5年間積み立てて得た、私の正直な感覚です。リスクと向き合ったうえで、自分のペースで続けられる範囲で始めることが最も大切だと思っています。

今日のアクションプラン

  1. 楽天証券またはSBI証券の公式サイトを検索して口座開設ページを開く(マイナンバーカードがあれば最短翌営業日に開設完了)
  2. NISA口座(つみたて投資枠)を同時に申し込む(後から追加より最初から一括手続きが最もスムーズ)
  3. 積立金額を「今日止まらない金額」で設定する(月3,000円からでも複利は機能する。金額より継続期間が大事)

楽天証券の公式サイト(rakuten-sec.co.jp)またはSBI証券の公式サイト(sbisec.co.jp)で、今日すぐに口座開設の申し込みができます。悩む時間より動いた1日の方が、複利の世界では価値があります。

まとめ

  1. 複利は「利益を再投資して利益を生む」仕組みで、時間が経つほど加速度的に大きくなる
  2. 72の法則で「72÷年率」→何年で2倍になるかが計算できる(年率5%なら約14年)
  3. 月3万円×年率5%×30年で、元本1,080万円が約2,497万円に(複利が生み出した1,417万円)
  4. 新NISAの非課税枠を使うことで、税金で削られる分を再投資に回せて複利効果がさらに高まる
  5. 5年積み立ててわかったのは「最初は地味、でも後半から一気に加速する」という実感
  6. 元本保証はなく暴落も避けられない。自分が続けられる金額・ペースで始めることが最重要

複利の力を最大限に引き出すのは、時間と継続だけです。始めた日が一番若い日です。このブログでは、等身大の体験をもとにお金と朝活の話を書いています。よかったらブックマークしてまた読みにきてくださいね。