新NISAの「生涯投資枠1800万円」という数字を最初に見たとき、正直なところ「そんなに積み立てられるわけがない」と思いました。
40代・会社員・子ども3人。毎月の生活費・教育費・住宅ローンをやりくりしながら投資に回せる金額は限られています。1800万円という数字は理想であって、現実ではない——そう感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、「満額を目指さなくていい」。5年間NISAを続けてきた今、それが正直な結論です。月5万円ずつ積み立てて、65歳までに1,500万円の元本と運用益を作れれば十分だと、今は考えています。
この記事でわかること
- 新NISA生涯投資枠1800万円の基本ルール
- 月3・5・10万円の積立額別の満額達成年数早見表
- 40代から始めた場合のリアルなシミュレーション
- 「満額にできなくても意味がある」理由
- 今日から始められる具体的なアクションプラン
私は5年前から月5,000円でNISAを始めました。子どもが3人いて教育費もかさむなか、「こんな少額で意味があるのか」と思いながらのスタートでした。それでも続けてきた理由と、月10万円まで増やせた経緯を、この記事でお伝えします。
新NISAの生涯投資枠1800万円とは?まずは基本を整理
2024年からスタートした新NISAには、大きく2つの枠があります。
- つみたて投資枠:年間120万円(月最大10万円)
- 成長投資枠:年間240万円(月最大20万円)
この2つを合わせた生涯投資枠の上限が1800万円です。ただし、成長投資枠だけでは1200万円が上限になっています。
旧NISAとの大きな違いは、非課税期間が無期限になったことと、売却すると枠が復活することです。旧NISAでは「使い捨て」のようなイメージでしたが、新NISAはより柔軟に使えるようになっています。
| 比較項目 | 旧NISA | 新NISA(2024年〜) |
|---|---|---|
| 年間上限 | 一般120万/つみたて40万 | 最大360万円 |
| 生涯投資枠 | なし | 1,800万円 |
| 非課税期間 | 最長20年 | 無期限 |
| 枠の再利用 | 不可 | 売却後に翌年復活 |
※出典:金融庁「新しいNISA」2024年
また、年間の最大投資額はつみたて投資枠と成長投資枠を合わせて360万円です。つまり、理論上の最短満額期間は1800万円 ÷ 360万円 = 5年ということになります。
ただ、現実的に年間360万円(月30万円)を投資できる人は限られています。多くの人にとっては、つみたて投資枠を中心に、月数万円ずつ積み立てていくスタイルが現実的でしょう。
月3・5・10万円で何年かかる?積立額別シミュレーション早見表
では、よくある積立額ごとに「生涯投資枠1800万円を使い切るまでの年数」を見てみましょう。
| 月の積立額 | 年間投資額 | 満額までの年数 | 65歳時点の積立額(40歳開始の場合) |
|---|---|---|---|
| 月3万円 | 36万円 | 約50年 | 900万円(25年分) |
| 月5万円 | 60万円 | 30年 | 1,500万円(25年分) |
| 月8万円 | 96万円 | 約19年 | 1,800万円(満額達成) |
| 月10万円 | 120万円 | 15年 | 1,800万円(満額達成) |
| 月20万円(つみたて+成長) | 240万円 | 7.5年 | 1,800万円(早期達成) |
| 月30万円(最大限活用) | 360万円 | 5年(最短) | 1,800万円(最短達成) |
この表を見て、どんな印象を持ちましたか?「月3万円じゃ一生かかるじゃないか」と思った方もいるかもしれません。でも、ここで大切なのは「満額にすること」が目的ではないという点です。
NISAの本質は「非課税で資産を増やすこと」です。たとえ1800万円全部を使い切れなくても、投資した分は非課税で運用されます。月3万円でも、20〜30年間続ければ、運用益を含めると大きな資産になる可能性があります。
40代から始めた場合のリアルなシミュレーション
「40代から始めても遅いのでは?」という声をよく聞きます。正直、20代や30代前半から始めた方が有利なのは事実です。でも、40代から始めても十分に意味があります。
ここでは、40歳から始めた場合を想定してシミュレーションしてみましょう。
月5万円を40歳から積み立てた場合(65歳まで25年間)
- 総積立元本:5万円 × 12ヶ月 × 25年 = 1,500万円
- 年利3%で運用した場合の想定資産額:約2,200万円前後
- 年利5%で運用した場合の想定資産額:約3,000万円前後
月10万円を40歳から積み立てた場合(55歳で満額達成)
- 総積立元本:10万円 × 12ヶ月 × 15年 = 1,800万円(55歳で生涯投資枠満額)
- 55歳以降は新規投資せず運用継続でも資産は成長
- 年利5%で25年間運用した場合の想定資産額:約5,000〜6,000万円前後
※上記はあくまで概算シミュレーションです。実際の運用成果は市場状況によって変動します。
| 月の積立額 | 積立期間 | 元本合計 | 年利3%想定 | 年利5%想定 |
|---|---|---|---|---|
| 月3万円 | 25年(40〜65歳) | 900万円 | 約1,390万円 | 約1,820万円 |
| 月5万円 | 25年(40〜65歳) | 1,500万円 | 約2,320万円 | 約3,040万円 |
| 月8万円 | 19年(40〜59歳) | 1,800万円(満額) | 約2,680万円 | 約3,340万円 |
| 月10万円 | 15年(40〜55歳) | 1,800万円(満額) | 約2,450万円 | 約2,980万円 |
※概算シミュレーション。実際の運用成果は市場状況により異なります。
月10万円の積み立てというのは、確かに決して少ない金額ではありません。でも、40代で収入が安定してきた方であれば、生活費を見直すことで実現できる範囲の方も多いと思います。
私の場合、月10万円に増やすにあたって、まず家計の固定費を見直しました。スマートフォンを楽天モバイルに変えたり、保険を整理したりすることで、月2〜3万円ほどコストを削減できました。そのお金を投資に回すことで、無理なく積立額を増やすことができています。
長期積立の具体的な成果については、6年で85万円から2,752万円になった資産形成の全記録でも詳しく書いています。よかったら参考にしてみてください。
月5,000円から始めた私が、月10万円に増やすまでの話
ここで少し、私自身の話をさせてください。
私がNISAを始めたのは今から5年前のことです。当時は投資に対してなんとなく怖いイメージがあって、「失ったらどうしよう」という気持ちが先に立っていました。でも、このまま何もしないのも不安だという思いもあって、とにかく少額から始めてみることにしました。
最初に設定した積立額は月5,000円でした。正直、こんな少額で何か変わるのかという半信半疑な気持ちでした。でも、毎月少しずつ残高が増えていくのを見ていると、不思議と投資への怖さが薄れていきました。
その後、1年ほど経ってから月1万円に増額しました。さらに数年かけて月3万円、月5万円と段階的に増やしていきました。そして今年、ついに月10万円(つみたて投資枠の満額)に到達しています。
月5,000円から月10万円への道のりは、決して一直線ではありませんでした。収入が増えたこともありましたが、それ以上に「投資への慣れ」と「固定費の見直し」が大きかったと思っています。
とくに印象に残っているのが、2020年春のコロナショックのときです。見ているあいだに積立残高がどんどん下がっていって、「こんなときに続けるのは損じゃないか」と頭の中でぐるぐる考えてしまいました。実際、毎日スマホで残高を確認するのが怖くて、しばらく証券アプリを開けない時期もありました。
でも、そのとき積立の設定は変えませんでした。「安いときにたくさん買えているはずだ」という気持ちで、ただ静かに続けました。1年後に残高を確認したとき、コロナ前を超えていたのを見て、心から「続けてよかった」と思いました。あのときの経験が、今でも暴落のたびに「やめなくていい」と自分に言い聞かせられる根拠になっています。
楽天証券とSBI証券を両方使っているのですが、楽天証券はポイント還元との相性がよく、SBI証券はクレジットカード積立のポイント還元率が魅力的です。どちらも設定してしまえば自動で積み立てられるので、「毎月手動で投資する」という手間もありません。忙しい会社員には、この自動化がとてもありがたいです。
正直に言うと、月10万円に増やせたのは、家計の余裕が出てきた40代に差し掛かってからです。子どもたちが小さかった頃は、月3万円が精いっぱいでした。上の子の習い事・下の子の保育料・住宅ローン——全部が重なる時期は「投資どころじゃない」と感じていた時期もあります。
それでも積立を止めなかったのは、「止めると再開するのが面倒」というシンプルな理由からでした。月3万円でも続けていたことが、今となってはよかったと思っています。満額を目指すより、まず続けること。これが5年間の正直な気づきです。
「満額に間に合わなくても意味がある」その理由
ここまで読んで、「自分は月3万円しか積み立てられないから、1800万円には間に合わない」と感じた方もいるかもしれません。
でも、少し視点を変えて考えてみてください。
NISAの非課税メリットは、投資した金額に対してかかる運用益や配当に税金がかからないというものです。通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内であればこれがゼロになります。
たとえば、月3万円を30年間積み立てた場合(元本1,080万円)、年利5%で運用できたとすると、想定資産額は約2,500万円前後になります。元本との差額約1,400万円が運用益ですが、これに通常であれば約280万円の税金がかかります。NISAであればこの280万円が丸ごと手元に残る計算です。
1800万円の枠を「使い切れなかった」としても、投資した分はしっかり非課税の恩恵を受けられます。満額達成はあくまで「理想」であって、「必達目標」ではありません。
大切なのは、今日から始めること、そして続けることです。暴落が来ても投資を止めずに続けた先に資産が育つ経験は、暴落が来ても積立を止めない|コロナショックから5年、売らずに続けたら資産が2,752万円になったでも書いています。
今日のアクションプラン
この記事を読んで「よし、動いてみよう」と思った方のために、具体的なアクションをまとめました。NISAと合わせてiDeCoも活用したい方は、iDeCo vs 新NISA どっちを優先すべき?40代会社員が掛け金を下げた理由もあわせて読んでみてください。
- まだNISAを始めていない方:口座開設から:楽天経済圏を使っている方は楽天証券、ポイント還元率重視の方はSBI証券がおすすめです。どちらも無料で開設でき、最短翌営業日から積立が始められます。すでに口座がある方は、現在の積立額と生涯投資枠の残りを確認してみましょう。
- 月いくら積み立てられるか計算する:家計の固定費(スマホ代・保険料・サブスク)を見直して、投資に回せる金額を探してみましょう。月3,000円でも5,000円でも、まずは金額を決めることが大事です。
- 積立設定を自動化する:楽天証券なら楽天カード積立、SBI証券なら三井住友カード積立を設定すると、毎月自動で積み立てられます。一度設定すれば手間がかかりません。
- 年1回の積立額見直しを習慣にする:毎年1月など決まったタイミングで積立額を見直す機会を設けましょう。収入が増えたら少しずつ増額していくのがおすすめです。
- 「満額が目標」ではなく「続けることが目標」と意識を変える:1800万円という数字に縛られず、自分のペースで長く続けることを意識してみましょう。
まとめ
- 新NISAの生涯投資枠は1800万円。年間最大360万円まで投資でき、最短5年で満額達成が可能。
- 月3万円なら約50年、月5万円なら30年、月10万円なら15年で満額に到達する計算になる。
- 40歳から月5万円を積み立てると、65歳までに元本1,500万円、運用益込みで2,000〜3,000万円前後の資産形成が見込める。
- 月10万円積み立てれば、55歳で生涯投資枠を満額達成できる。固定費の見直しで積立額を増やすのが現実的なアプローチ。
- 満額に「間に合わない」としても、投資した分はすべて非課税の恩恵を受けられる。始めることと続けることが何より大切。
- 楽天証券・SBI証券ともにクレジットカード積立の自動化機能があり、忙しい会社員でも手間なく継続できる。
1800万円という数字は大きく見えますが、それは「目的地」ではなく「制度の上限」です。あなたのペースで、あなたの金額で、少しずつ積み上げていくこと。それがNISAの本質的な使い方だと私は思っています。
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