新NISAの「生涯投資枠1800万円」という数字を最初に見たとき、正直なところ「そんなに積み立てられるわけがない」と思いました。
40代・会社員・子ども3人。毎月の生活費・教育費・住宅ローンをやりくりしながら投資に回せる金額は限られています。1800万円という数字は理想であって、現実ではない——最初はそう感じていました。
でも、「満額を目指さなくていい」。5年間NISAを続けてきた今、それが正直な結論です。月5,000円から始めて、今は月10万円まで増やせました。この記事では、積立額ごとの試算と、わたし自身が少額から続けてきたリアルな経緯、そして2026年に決まった「こどもNISA」など最新の制度改正までまとめてお伝えします。
この記事は「1800万円なんて無理」と感じている人、40代から始めて遅くないか不安な人、子育て世帯でNISAを続けたい人に向けて書きました。むずかしい話より、5年やってみた実感を中心にお話しします。
この記事でわかること
» 新NISAの生涯投資枠1800万円とは?まずは基本を整理
2024年からスタートした新NISAには、大きく2つの枠があります。
- つみたて投資枠:年間120万円(月最大10万円)
- 成長投資枠:年間240万円(月最大20万円)
この2つを合わせた生涯投資枠の上限が1800万円です(うち成長投資枠だけなら1200万円が上限)。旧NISAとの大きな違いは、非課税期間が無期限になったことと、売却すると枠が翌年復活することです。
| 比較項目 | 旧NISA | 新NISA(2024年〜) |
|---|---|---|
| 年間上限 | 一般120万/つみたて40万 | 最大360万円 |
| 生涯投資枠 | なし | 1,800万円 |
| 非課税期間 | 最長20年 | 無期限 |
| 枠の再利用 | 不可 | 売却後に翌年復活 |
※出典:金融庁「新しいNISA」2024年
年間の最大投資額はつみたて+成長で360万円。理論上の最短満額期間は1800万円÷360万円=5年です。ただ、年間360万円(月30万円)を投資できる人は限られています。多くの人にとっては、つみたて投資枠を中心に月数万円ずつ積み立てるスタイルが現実的でしょう。
» 【2026年最新】こどもNISA創設で、子育て世帯に何が変わる?
2025年末の2026年度税制改正大綱に、新NISAをめぐる新しい動きが盛り込まれました。子ども3人の我が家にとって特に大きいのが「こどもNISA」の創設です。現時点(2026年6月)で確定した制度ではなく今後の法案次第ですが、方向性として知っておく価値があります。
| 変わること | 内容(2026年度税制改正大綱より) |
|---|---|
| こどもNISA創設 (2027年1月開始予定) | 0〜17歳もつみたて投資枠で投資可能に。年間60万円・非課税保有限度額600万円。12歳以降は払い出しもOK |
| スイッチング (検討中) | 売却したその年のうちに非課税枠を再利用できる方向で検討 |
| 対象商品の拡大 (検討中) | つみたて投資枠で債券中心の投信も一部認める方向で検討 |
2023年末に廃止されたジュニアNISAと違い、こどもNISAは子どもの将来の学費や独立資金を非課税で育てられるのが魅力です。我が家のように子どもが複数いる世帯にとっては、親のNISAとは別枠で運用できるのが大きいと感じています。とはいえ、まずは自分自身のNISAを無理なく続けることが土台。こどもNISAは余裕ができてから上乗せで考える、くらいの距離感がちょうどいいと思っています。
» 月3・5・10万円で何年かかる?積立額別の早見表
よくある積立額ごとに「生涯投資枠1800万円を使い切るまでの年数」を見てみましょう。
| 月の積立額 | 年間投資額 | 満額までの年数 | 40歳開始・65歳時点 |
|---|---|---|---|
| 月3万円 | 36万円 | 約50年 | 元本900万円 |
| 月5万円 | 60万円 | 30年 | 元本1,500万円 |
| 月8万円 | 96万円 | 約19年 | 満額達成 |
| 月10万円 | 120万円 | 15年 | 満額達成 |
| 月30万円(最大) | 360万円 | 5年(最短) | 最短達成 |
この表を見て「月3万円じゃ一生かかるじゃないか」と思った方もいるかもしれません。でも大切なのは「満額にすること」が目的ではないという点です。NISAの本質は「非課税で資産を増やすこと」。1800万円全部を使い切れなくても、投資した分は非課税で運用されます。月3万円でも20〜30年続ければ、運用益を含めて大きな資産になる可能性があります。
» 40代から始めた場合のリアルな試算
「40代から始めても遅いのでは?」という声をよく聞きます。20代・30代から始めた方が有利なのは事実ですが、40代からでも十分に意味があります。40歳から始めた場合を想定して試算してみましょう。
| 月の積立額 | 積立期間 | 元本合計 | 年利3%想定 | 年利5%想定 |
|---|---|---|---|---|
| 月3万円 | 25年(40〜65歳) | 900万円 | 約1,390万円 | 約1,820万円 |
| 月5万円 | 25年(40〜65歳) | 1,500万円 | 約2,320万円 | 約3,040万円 |
| 月8万円 | 19年(40〜59歳) | 1,800万円(満額) | 約2,680万円 | 約3,340万円 |
| 月10万円 | 15年(40〜55歳) | 1,800万円(満額) | 約2,450万円 | 約2,980万円 |
※概算シミュレーション。実際の運用成果は市場状況により異なります。
月5万円を40歳から25年続ければ、元本1,500万円・年利5%想定で約3,000万円前後。月10万円なら55歳で生涯投資枠を満額達成でき、その後も運用を続ければ資産はさらに育ちます。わたしの場合、積立額を増やすにあたって、まず家計の固定費を見直しました。スマホを楽天モバイルに変えたり保険を整理したりで、月2〜3万円ほどコストを削減。そのお金を投資に回すことで無理なく増やせています。長期積立の実際の成果は、6年で85万円から2,000万円超になった資産形成の全記録でもくわしく書いています。
» 月5,000円から始めた私が、月10万円に増やすまでの話
ここで少し、わたし自身の話をさせてください。NISAを始めたのは5年前。当時は投資に対してなんとなく怖いイメージがあって、「失ったらどうしよう」という気持ちが先に立っていました。それでも何もしないのも不安で、とにかく少額から始めてみることに。最初に設定した積立額は月5,000円でした。
こんな少額で何か変わるのかと半信半疑でしたが、毎月少しずつ残高が増えていくのを見ていると、不思議と投資への怖さが薄れていきました。その後1年で月1万円、数年かけて月3万円・月5万円と段階的に増やし、今年ついに月10万円(つみたて投資枠の満額)に到達しています。
とくに印象に残っているのが、2020年春のコロナショックです。見ているあいだに積立残高がどんどん下がっていって、「こんなときに続けるのは損じゃないか」と頭の中でぐるぐる。実際、毎日スマホで残高を見るのが怖くて、しばらく証券アプリを開けない時期もありました。それでも積立の設定は変えませんでした。「安いときにたくさん買えているはずだ」と、ただ静かに続けたんです。1年後に残高がコロナ前を超えていたのを見て、心から「続けてよかった」と思いました(このときの経験は暴落が来ても積立を止めない|コロナショックから5年の記録に書いています)。
正直に言うと、月10万円に増やせたのは家計に余裕が出てきた40代に入ってからです。子どもたちが小さかった頃は月3万円が精いっぱい。習い事・保育料・住宅ローンが全部重なる時期は「投資どころじゃない」と感じたこともあります。それでも積立を止めなかったのは「止めると再開するのが面倒」というシンプルな理由から。満額を目指すより、まず続けること。これが5年間の正直な気づきです。楽天証券もSBI証券も、一度カード積立を設定すれば自動で買い付けてくれるので、忙しい会社員でも手間がかかりません。
» 「満額に間に合わなくても意味がある」その理由
「自分は月3万円しか積み立てられないから、1800万円には間に合わない」と感じた方もいるかもしれません。でも、少し視点を変えてみてください。NISAの非課税メリットは、運用益や配当に税金(通常約20%)がかからないこと。たとえば月3万円を30年積み立て(元本1,080万円)、年利5%で運用できたとすると想定資産額は約2,500万円前後。運用益の約1,400万円には通常280万円ほどの税金がかかりますが、NISAならこれが丸ごと手元に残ります。
1800万円の枠を「使い切れなかった」としても、投資した分はしっかり非課税の恩恵を受けられます。満額達成はあくまで「理想」であって「必達目標」ではありません。大切なのは、今日から始めること、そして続けることです。NISAと合わせてiDeCoも気になる方は、iDeCo vs 新NISA どっちを優先すべき?40代会社員が掛け金を下げた理由もあわせて読んでみてください。
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まだNISA口座を持っていない方は、まず口座開設から。楽天経済圏を使っている方は楽天証券が楽天カード積立と相性がよく、わたしも長年メインで使っています。どちらも無料で開設でき、最短翌営業日から積立を始められます。すでに口座がある方は、現在の積立額と生涯投資枠の残りを確認して、無理のない範囲で「続ける設定」を整えてみてください。
- ✅ 生涯投資枠1800万円は「目的地」ではなく「制度の上限」。急いで満額を目指さなくていい
- ✅ 40歳から月5万円なら、65歳までに元本1,500万円+運用益で2,000〜3,000万円前後が見込める
- ✅ 2026年度改正で「こどもNISA」(2027年1月開始予定・年60万円/限度額600万円)が創設へ
- ✅ スイッチングや対象商品拡大も検討中。子育て世帯はまず自分のNISAを土台に
- ✅ 暴落でも止めず、固定費を見直して少しずつ増やすのが現実的なアプローチ
1800万円に縛られず、あなたのペースで積み上げること。続けた人だけが資産を育てられます。
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