新NISAを始めてもうすぐ5年になります。
積立額は月5,000円からスタートして、今は月10万円。資産残高が2,000万円超を超えました。
私がここまで積み立ててきた理由は、はっきりしています。子どもたちの教育資金、老後の安心、そして会社に依存しない経済的自立。この3つのためです。
ただ、ずっと「増やす」ことばかり考えていて、あるときふと立ち止まりました。
「この資産を、いつ・どうやって”その目的”に変えていくんだろう?」——取り崩すフェーズの設計を、まだ一度も考えていなかったんです。
積立を始めた頃は「とにかく毎月続ける」だけでいっぱいいっぱいでした。
でも資産が2,000万円を超えたあたりから、じわじわと「出口をどうするか」が気になり始めたんです。
この記事では、40代・会社員・子どもたちという状況で積立5年・2,000万円超を実現した私が、「新NISA出口戦略」について本音ベースで考えたことをまとめます。
取り崩し方法の比較や具体的なシミュレーション数値も載せているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
📋 この記事でわかること
「出口戦略」が必要な理由:積立だけでは資産は「使えない」
「出口戦略」と聞くと難しく聞こえますが、要は「いつ・どのくらいずつ・どの順番で資産を引き出すか」の計画のことです。
新NISAは非課税期間が無期限になりました。理論上はいつまでも放置できます。
でも「ずっと放置」が正解ではないことは、少し考えればわかります。
たとえば、70歳まで使わずに資産を置いておいても、体が動かなくなってから「さあ使おう」では、人生を楽しむお金として機能しません。
老後の不安をなくすために積み立ててきたはずが、使えないまま人生が終わる——それでは本末転倒です。
増やす計画と同じくらい、使う計画=出口戦略が大切です。
そしてもう一つ重要なのが、「取り崩すタイミングによって税負担が変わる」という点です。非課税の新NISAをいつ・どう引き出すかで、手元に残るお金が変わってきます。
| 項目 | 出口戦略あり | 出口戦略なし |
|---|---|---|
| いつ使うか | 明確(例:65歳から月7万円) | 不明確・先送りになりがち |
| 税金対策 | 口座別に計画的に最小化できる | 一括引出で税負担増の可能性 |
| 生活設計 | 「いくらあれば安心」が明確 | 安心の基準が曖昧なまま |
| 資産枯渇リスク | シミュレーション済みで管理可能 | 取り過ぎ・不足どちらもリスク |
「まだ若いから先のこと」と思わず、資産が増えてきた今こそ出口を考えるタイミングだと、私は実感しています。
積立5年・私が実感した資産の加速感と「その先」への問い
私がNISA積立を始めたのは2020年のことです。
当時の総資産は85万円ほど。最初の積立額は月5,000円でした。
ぶっちゃけ「こんな金額で老後なんて作れるのか」と半信半疑でした。
その後、少しずつ積立額を引き上げていきました。
月5,000円 → 月2万円 → 月5万円 → 月10万円。
子どもたちの教育費と並行しながらだったので、一度に大きく上げるのが怖くて、毎回「ほんとうに大丈夫かな」と迷いながら増やしてきました。
2020年春、コロナ暴落がありました。
保有資産が短期間で30〜40%近く落ちたときは、正直ひやっとしました。
「売ったほうがいいんじゃないか」という気持ちが頭をよぎったのも事実です。
でも「積立を止めたら複利の力が消える。暴落時こそ安く買える」と自分に言い聞かせて、積立を続けました。
あの判断があったから、今の2,000万円超があると思っています。
そして今年、残高が2,000万円超を超えたとき、スマホ画面を見ながら思わず声が出ました。
「あ、本当に増えてたんだ」って。
でもその直後に浮かんだのが「この先、どうするんだろう」という問いでした。
増やすことに夢中で、使うフェーズを全く考えていなかったんです。

また、途中でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)からeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)に乗り換えたのも、この出口フェーズを意識してのことです。
「取り崩すときに米国株だけだと暴落時のダメージが大きい。全世界に分散した方が心理的に安定する」と判断しました。
現在のS&P500・オルカン中心のリアルなポートフォリオでは、その配分比率(株式94%)まで、こちらで全部公開しています。
詳しくは暴落が来ても積立を止めない|コロナショックから5年の記録に、あのとき売らずに済んだ理由を書きました。
新NISAはいつから取り崩し始めればいい?3つのシナリオ
「いつから取り崩すか」に絶対の正解はありません。
ただ大きく分けると、3つのシナリオで考えると整理しやすいです。
| シナリオ | 開始時期 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 早期取り崩し型 | 55〜60歳 | 老後前から生活費を補填。 資産寿命は短くなる | 早期退職・FIRE希望者 |
| 定年合わせ型 | 60〜65歳 | 公的年金との合わせ技。 バランスが取りやすい | 会社員の定年退職者(最多) |
| 繰下げ受給型 | 70歳〜 | 資産を最大限に増やせる。 ただし使える期間が短い | 健康で定年後も働く人 |
正直に言うと、私はこの3つを厳密に決めていたわけではありません。
今のところの、ざっくりした方針はこうです。
あと5年ほどは今のペースで積立を続けて、そのあとは大きく買い増さずに”放置”で運用を続ける。
すると上の子が大学に入る頃には、資産は2,000万円超を上回るペースになる見込みです。
そこからは必要な分を教育資金として取り崩しながら、少しずつ老後を迎える——というのが、現時点の素朴なシナリオです。
上の表でいえば、私は「定年合わせ型」をベースにしつつ、教育費のタイミングで一部を早めに使う”ミックス型”に近いのかもしれません。
正直、まだきっちり決めきれていません。ただ「最低でも5年は積立を続ける」「子どもの教育費までは確保しておく」——この2つの軸だけは、ぶらさないようにしています。
なお「いくら残して、どこまで使い切るか」という価値観そのものは、『DIE WITH ZERO』という本にずいぶん考えさせられました。お金を”いつ使うか”も出口戦略の大事な一部だと気づかせてくれた一冊です。感想は『DIE WITH ZERO』の要約と感想|40代が取り入れた3つの教えにまとめています。
取り崩し方3種類の比較:定率・定額・バケツ戦略
「いつから」が決まったら、次は「どうやって」。取り崩し方法には代表的な3種類があります。
| 方法 | 内容 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 定率取り崩し | 毎年残高の3〜4% を引き出す | 資産が枯渇しにくい。 暴落時は引出額が自動減少 | 毎年の引出額が変動。 生活費の計算が難しい |
| 定額取り崩し | 毎月7万円など 一定金額を引き出す | 生活費の見通しが立てやすい。 シンプルでわかりやすい | 暴落時も引出すため 資産枯渇リスクあり |
| バケツ戦略 | 短期・中期・長期に 資産を分けて管理 | 暴落時に焦らない。 生活費用の現金を確保 | 管理が複雑。 定期的な見直しが必要 |
長期投資の世界でよく語られる「4%ルール」という考え方があります。
米国株中心のポートフォリオなら毎年4%ずつ取り崩しても資産が30年以上持続する——という研究(トリニティスタディ)に基づいた目安です。
ただし4%ルールはアメリカの研究であり、日本の税制・公的年金・インフレ率には完全には当てはまりません。
私自身は「定率3〜3.5%の取り崩し+公的年金の組み合わせ」が、日本の40代会社員には現実的な設計だと考えています。
バケツ戦略については、「現金バケツ(2〜3年分の生活費)」「中期バケツ(債券・低リスク資産)」「長期バケツ(株式・新NISA)」に分けておくことで、暴落時でも焦らず生活できる安心感が生まれます。
特に取り崩しを始めた直後の数年間は、このバケツ戦略が精神的に大きな助けになると思っています。
リアルシミュレーション:2,000万円超を月7万円取り崩したら何年持つか
「実際のところ、2,000万円超あれば何年持つの?」を試算してみます。
前提条件は以下の通りです:
- 現時点の資産:2,000万円超(積立継続中のため、65歳時はこれより多くなる想定)
- 取り崩し開始後も年利3%で運用継続する(ちなみに過去20年のオルカン平均利回りは年6〜7%)
- 新NISA口座のため運用益は非課税
- インフレは考慮しない(保守的試算)
| 運用利回り | 月7万円引出し | 月10万円引出し | 月15万円引出し |
|---|---|---|---|
| 0%(放置のみ) | 約33年で枯渇 | 約23年で枯渇 | 約15年で枯渇 |
| 年利2% | 約53年で枯渇 | 約31年で枯渇 | 約18年で枯渇 |
| 年利3% | ほぼ枯渇しない | 約38年で枯渇 | 約20年で枯渇 |
| 年利4% | 元本が増加する | 約59年で枯渇 | 約23年で枯渇 |
このシミュレーションを出してみて、正直ちょっと安心しました。
「月7万円・年利3%維持ならほぼ枯渇しない」という計算になるからです。
もちろん、65歳まで積立を続ければ資産はさらに増えているので、月10万円引き出しても40年以上持続する可能性があります。
公的年金(私の試算では月約15万円見込み)と合わせれば、NISAからの引き出しは月5〜7万円の補填で足りる計算になります。
一方で注意したいのが「シークエンス・オブ・リターンズ・リスク」です。
取り崩し開始直後に大暴落が来ると、同じ平均利回りでも資産が大幅に目減りします。
だからこそバケツ戦略で2〜3年分の現金を確保しておくことが、取り崩しフェーズの最重要タスクだと私は考えています。
積立開始時のシミュレーションについては毎月3万円の積立でFIREを目指す投資シミュレーションにまとめています。
💡 取り崩しを見据えるなら、今のうちに口座と家計管理を整える
出口戦略は、口座と家計の「見える化」ができていることが前提です。私たち夫婦が5年以上使い続けている3つを紹介します。
- 楽天証券:楽天カード積立でポイントが貯まる・画面がシンプル。私たちのメイン口座
- SBI証券:三井住友カード積立に対応・取扱商品数No.1。サブ口座として活用
- マネーフォワードME:家族5人・10口座を1画面で管理。取り崩し後の家計確認にも必須
※どれも口座開設・登録は無料です。両方の証券口座を持っておくと、取り崩し時の選択肢が広がります。
取り崩し前に必ず確認する税金と注意事項
新NISAの最大の強みは「運用益が非課税」なことです。
通常の課税口座なら利益に約20.315%の税金がかかりますが、新NISAでは0円。
2,000万円超の含み益部分を一切課税なしで引き出せるのは、めちゃくちゃ大きなメリットです。
ただし、複数の口座を持っている場合は、引き出す順番を意識する必要があります。
| 口座の種類 | 税金 | 注意点 |
|---|---|---|
| 新NISA口座 | 非課税(0円) | 最後に引き出しても損しない |
| 特定口座(課税口座) | 約20%課税 | 含み益が大きければ先に整理検討 |
| iDeCo(一時金受取) | 退職所得控除が使える | 退職金との合算に注意が必要 |
| iDeCo(年金受取) | 公的年金等控除が使える | 他の年金収入と合算される |
私はiDeCoも月5,000円積立していますが、2024年に月12,000円から5,000円に減額しました。
理由は「iDeCoは60歳まで引き出せない」という流動性の低さです。
新NISAはいざとなればすぐ引き出せる。使い勝手がまるで違います。
詳しくはiDeCo vs 新NISA どっちを優先すべきか悩んだ話もあわせて読んでみてください。
一般的に有利な引き出し順番は「新NISA口座 → 特定口座(損益通算後) → iDeCo」です。
ただし個人の課税状況・退職金・年金額によって変わります。
50代に入ったら、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することを真剣に検討しています。
最新の制度情報は国税庁「NISA制度の概要」(nta.go.jp)で確認してください。
朝5時ごろに新しい記事を更新しています。明日もまた、お会いできたら嬉しいです。

