楽天の株主優待SIMは、音声通話つきで月30GBが無料で使えます。ただ実際に使ってみると、残りデータ量が見えない・30GBを超えると最大200kbpsまで落ちる・利用期間が「6ヶ月+継続要件」に変わったという3つのデメリットがありました。
私が楽天グループの株を買ったのは2010年9月で、この優待を15年もらい続けています。楽天モバイルの通常の契約(この記事では本契約と書きます)のほうも夫婦で7年目です。いまは自分のiPhoneに優待SIMと本契約の2枚を差して使っているので、両方を並べて比べられる立場にいます。今日はその実感と、15年で優待がどう変わってきたかを書きます。
📌 この記事の結論
楽天グループの株を100株以上持っていると、株主優待として音声+データ30GB/月のSIMが無料で使えます。デメリットは3つで、①my楽天モバイルが使えず残量が見えない ②30GBを超えると最大200kbps ③第29期から期間が「6ヶ月+継続要件を満たせば追加6ヶ月」に変わったこと。
そして私の場合、この優待で通信費は下がっていません。本契約がすでに上限の段階に張り付いているからです。優待SIMが効くのは「株主本人が、本契約とは別にもう1回線分のデータを必要としている」ときだけでした。
楽天の株主優待は、15年でここまで変わりました
いまの優待SIMの話に入る前に、変遷のほうを先に置かせてください。優待SIMを紹介している記事はたくさんありますが、「その前は何だったか」を並べたものはあまり見かけないからです。
最初にひとつお断りしておくと、私が株を買った2010年当時の優待内容は、公式サイトに記録が残っていませんでした。楽天グループの株主優待ページで確認できるのは、2013年末を基準にした第17期からです。ここから先は公式サイトの過去の記載をたどって作った表です。
楽天グループの株主優待の変遷(100株保有の場合・公式サイトの記載より)
| 期・基準日 | 主な優待内容 |
|---|---|
| 第17期 2013年末 |
楽天市場200円×4枚、楽天トラベル「楽パック」6,000円、楽天Kobo 1,500円のクーポン。イーグルスのグッズ抽選と観戦チケット優待価格 |
| 第18期 2014年末 |
楽天市場800円分+トラベル計7,500円相当(国内宿泊1,500円+国内ツアー6,000円)+Kobo 3倍+楽天証券の手数料30%還元とマーケットスピード1年無料 |
| 第19期 2015年末 |
第18期とほぼ同じ内容に、ヴィッセル神戸のグッズ抽選と観戦チケットが追加 |
| 第20期 2016年末 |
トラベルのクーポンが2,000円相当に。楽天市場800円分とKobo、スポーツ関連、楽天証券の優待は継続 |
| 第21期 2017年末 |
FCバルセロナとゴールデンステート・ウォリアーズのグッズ抽選が追加。クーポン類は据え置き |
| 第22期 2018年末 |
楽天市場クーポンが保有株数別になり、100株は500円相当に(継続5年以上で1枚追加)。マーケットスピード無料が消滅 |
| 第23期 2019年末 |
楽天キャッシュに変更(100株・5年以上で1,000円)+トラベル2,000円相当。Kobo・スポーツ・楽天証券の優待はすべて消滅 |
| 第24期 2020年末 |
楽天キャッシュ+トラベルクーポンが1,500円に |
| 第25期 2021年末 |
第24期と同じ内容 |
| 第26期 2022年末 |
トラベルクーポンが消滅。楽天キャッシュ+NBA Rakutenの3ヶ月視聴+楽天ミュージック・楽天マガジンの90日無料+グッズ抽選 |
| 第27期 2023年末 |
楽天モバイルの音声+データ30GB/月を1年間無料に全面変更。他の優待はすべて廃止 |
| 第28期 2024年末 |
第27期と同じく30GB/月を1年間無料 |
| 第29期 2025年末 |
30GB/月を6ヶ月無料+継続要件を満たせば追加6ヶ月 |
※楽天グループ株式会社の株主優待ページの記載(過去分を含む)をもとに作成。2026年8月時点。
こうして並べると、性格が3回変わっているのが分かります。買い物とスポーツの詰め合わせだった時代(2013〜2018年)、楽天キャッシュとトラベルクーポンに絞られた時代(2019〜2022年)、そして通信の回線1本になった時代(2023年〜)です。
受け取る側の実感で言うと、いちばん寂しかったのは第20期でした。トラベルのクーポンが7,500円相当から2,000円相当に下がった年です。家族旅行の予算をこれで組んでいたわけではないのですが、届いたメールを見て「ずいぶん減ったな」と思ったのは覚えています。
それと、長く持っている人向けの上乗せについても書いておきます。楽天キャッシュの時代は、100株の株主で保有5年未満が500円、5年以上が1,000円という区分でした。私は当然5年以上のほうに入っていたので、15年持ち続けた分の上乗せは年間500円だったことになります。長期保有の特典というのは、実際に受け取るとこのくらいの手触りです。
この楽天株そのものを15年持ってどうなったかは、初めて買った株を15年持ち続けた結果のほうに株価と配当の記録を書いています。
いまの優待SIMは、何がもらえて何ができないのか
第29期(2025年12月末時点の株主が対象)の中身を、公式サイトの記載から整理しておきます。
第29期 株主優待SIMの条件(2026年8月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 2025年12月末時点の株主名簿に記載された、100株(1単元)以上を保有する株主 |
| 内容 | 楽天モバイルの音声+データ30GB/月プラン |
| 期間 | 6ヶ月無料。継続要件を満たすと追加で6ヶ月(合計1年) |
| 申込期間 | 2026年3月11日から5月15日16時59分まで(すでに終了) |
| 超過後の速度 | 国内は最大200kbps、国際は最大128kbps |
| 通話 | 「Rakuten Link Office」アプリを使えば国内通話・国内SMSは無料。通常の「Rakuten Link」は使えない |
| SPU | 対象外。最強プランの契約を条件とするSPU特典は付かない |
| 譲渡 | 譲渡・売却・換金は禁止と明記されている |
| 年齢 | フィルタリングサービスの提供がないため、原則として18歳未満は利用不可 |
| 終了時 | 期間が過ぎると自動的に解約。解約手続きは不要 |
※楽天グループ株式会社の株主優待ページおよび株主様ご優待サイトの記載より。条件は期ごとに変わります。
この表のうち、デメリットとして効いてくるのが下のほうの3行です。順に補足します。
SPUが対象外。楽天モバイルを契約すると楽天市場のポイントが+4倍になりますが、優待SIMはこの対象になりません。つまり優待SIMだけを持っていても、楽天市場の倍率は上がらないということです。楽天経済圏の倍率を目当てにするなら本契約が必要で、ここが本契約を残す理由のひとつになっています。倍率の使いどころについては楽天お買い物マラソンの上限と損益分岐点のほうに、7年参加した実感を書きました。
譲渡が禁止。これも実際には大きくて、株主本人しか使えないということです。「自分は本契約で足りているから、家族の回線を優待SIMに置き換えて家計の通信費を下げよう」という使い方は、公式の禁止事項に当たります。我が家でいえば、月3GBで足りている妻の回線をこれに替えるという発想は最初から成立しません。
my楽天モバイルが使えない。これがこの記事で私がいちばん書きたかったところなので、次の見出しでまとめて書きます。
本契約と2枚差しで使うと、30GBの先に何が起きるか
私の使い方から書きます。自分のiPhoneに、楽天モバイルの本契約と優待SIMの2枚を入れています。分け方はこうです。
- ふだんのデータ通信は優待SIM側
- 電話番号は本契約側
何にそんなに使うのかというと、ほとんどが仕事の作業です。出張中にノートPCをスマホにつないで作業することが多く、その通信量がまとまって出ます。月のデータ量は、優待SIMの30GBを使い切ったうえで、本契約側でさらに20GB以上。合わせると月50GBを超えています。自分でも使いすぎだと思います。
それで、30GBを超えたときに何が起きるか。公式の記載どおり最大200kbpsまで落ちるのですが、実際は数字を見るより先に体感で分かります。ページの読み込みが目に見えて遅くなって、「あ、これは超えたな」と気づく。そこで本契約側の回線に切り替えて、その月の残りはそちらで過ごす、という運用になっています。
ここで引っかかるのが、さっきのmy楽天モバイルが使えないという制約です。優待SIMはデータ利用明細も開示されないので、いま何GB使ったかを確認する手段がありません。本契約なら残量がアプリで見えるので「そろそろ20GBだから気をつけよう」と調整できますが、優待SIMのほうは速度が落ちてから使い切ったことを知るという順番になります。
これは想像以上に不便でした。通信が遅くなって初めて原因を探すので、電波のせいなのか、混雑なのか、30GBを使い切ったのか、その場では切り分けられません。作業の途中で止まると、まずそこで数分持っていかれます。
残量が見えないこと。これが優待SIMのいちばん大きなデメリットだと思っています。この1点だけで、優待SIMを1本で運用するのは私には難しいと感じました。切り替え先がない状態で速度が落ちたら、その月はずっと200kbpsのままです。本契約を残しているのは、節約というよりこの落ちたときの逃げ場としての意味が大きくなっています。
他社の格安プランと組み合わせている方も見かけますし、逃げ場さえ用意できるならそれでもいいのだと思います。私はもともと本契約が7年あったので、そこに足す形になったというだけです。楽天モバイルの本契約そのものの使い勝手は、楽天モバイルのデメリット|田舎で7年使って分かった電波の本音のほうに田舎での電波の話を含めて書きました。
機種変更でSIMを再発行したら、届くまで16日かかりました
もうひとつ、実際にやってみないと分からなかった話を書きます。2025年の秋にiPhoneを機種変更したときのことです。
優待SIMはeSIMなので、端末を替えると入れ直しが必要になります。ところが優待SIMはmy楽天モバイルが使えないので、自分でeSIMを再発行することができません。株主優待の専用フォームから再発行を申請して、送られてくるのを待つ形になります。
実際の流れはこうでした。
- 10月22日の朝に再発行を申請。数時間後に「申込内容に不備がある」というメールが届き、その日のうちに出し直し
- 1週間経っても音沙汰がないので、10月31日に問い合わせフォームから状況を確認
- 11月4日に返信。通常は2〜3週間、混み合う時期は最大1ヶ月かかる場合があるとの案内
- 11月7日に再発行の手続き完了の連絡が届いた
最初の申請から数えて16日です。急いでいるときにこの期間が読めないのは、けっこう困ります。
ついでに私のミスも書いておくと、この問い合わせはほとんど無駄になりました。フォームに「株主番号(0から始まる9桁)」という欄があって、そこに1桁ずらした番号を入れてしまったからです。
返信は「入力された株主番号と株主名簿の氏名が一致しないので、一般的な回答の範囲で案内します」という内容で、私の状況を見てもらうことはできませんでした。桁の多い番号を手で写すときは、送信前にもう一度見たほうがいいです。
そしてこのとき返信で教えてもらった仕様に、公式サイトには書かれていないものがありました。
⚠️ 新しいSIMが手元に届く数日前に、回線の切り替えのためにいま使っているSIMが停止する
つまり再発行を頼むと、届く前に一度使えない期間が来ます。しかも発送の通知は行っていないとのことなので、いつ止まるかは事前には分かりません。仕事で使っている回線なら、これは知らずに迎えるとかなり慌てます。
第29期から、利用期間が「6ヶ月+継続要件」に変わりました
第27期・第28期は「1年間無料」でしたが、第29期から書き方が変わりました。ここは「半分に減った」と読むと不正確になるところなので、公式の条件を丁寧に見ます。
第29期はまず6ヶ月。そのうえで継続要件を満たすと追加で6ヶ月が適用されて、合計1年になります。継続要件の中身は、2025年12月末と2026年6月末の両方の時点で、同一の株主番号で株主名簿に記載があり、100株以上を保有していることです。
つまり期間そのものが半分になったのではなく、途中でもう一度、株を持っているかを確認されるようになったという変更です。権利日だけ持って売る使い方をすると6ヶ月で終わり、持ち続けていればこれまでどおり1年、という形に整理されたと読むのが正確だと思います。
公式のよくある質問に、判断に迷いそうな例がいくつか載っていました。読んでいて「これは知らないと引っかかる」と思ったものを3つだけ挙げます。
- 一部を売っただけなら継続要件は満たす。500株のうち100株を売っても、残り400株を6月末に持っていれば株主番号は変わらないため対象になる
- 全部売ってから買い直すと満たさない。いったん全株を売ると株主番号が変わるので、6月末に持ち直していても通常の6ヶ月で終了する
- 証券保管振替機構の名寄せで株主番号が変わることがある。自分では売っていなくても、複数口座の名寄せによって番号が変わり、継続要件を満たさなくなる場合があると明記されている
3つ目は自分では制御しづらい部分です。「持ち続けていれば大丈夫」と思い込んでいると外す可能性がある、ということは頭の隅に置いておいたほうがよさそうです。
私の場合は、第28期の回線が2026年11月30日まで、そこから第29期に切り替わって、いまの案内では2027年5月31日までとなっています。継続要件は満たしているはずなので、ここから追加の6ヶ月が付くかどうかを、その時期に自分で確かめることになります。結果はまた書きます。
結局、この優待で通信費はいくら安くなったのか
ここまで書いておいて何なのですが、私の場合はほとんど安くなっていません。
理由は料金の仕組みにあります。楽天モバイルの本契約は使った分だけの段階制で、公式サイトの記載では3GBまで1,078円、3GBから20GBまで2,178円、20GBを超えると3,278円で頭打ちです(いずれも税込・2026年8月時点)。私はもともと20GBを超える月がほとんどなので、上の段に張り付いています。

この状態だと、優待SIMで30GB使っても、その30GBを本契約で使っても、支払う金額は同じ3,278円です。上限に当たっている人にとって、優待SIMの30GBは料金を下げる方向には働きません。増えるのは使える量のほうだけです。
では意味がなかったのかというと、そうでもありません。私にとっての価値は、金額ではなく回線が2本あることのほうに寄っています。出張先で片方の電波が悪いときにもう一方へ逃げられますし、1つの回線に月50GBを集中させずに済みます。ただこれは「安くなった」とはまったく別の話です。
逆に、この優待がはっきり効くのはどういう人かも書いておきます。整理すると、次の3つが同時に成り立つときだけでした。
① 株主本人が使うこと(譲渡が禁止なので、家族の回線を置き換える使い方はできない)
② 本契約が上限に張り付いていないこと(3GBや20GBの段階なら、優待SIMに寄せた分だけ本当に下がる)
③ 切り替え先を別に持っていること(残量が見えないので、落ちたときの逃げ場が要る)
私は①と③は満たしていますが、②を満たしていません。だから金額は動かなかった、というだけの話です。もし本契約が3GBの段階で収まっている人なら、同じ優待でも受け取り方はまったく違うはずです。
なお、優待の内容が15年でここまで動いてきたことは表のとおりです。買い物のクーポンだった時期も、楽天キャッシュだった時期も、通信の回線になったいまも、翌年も同じである保証はどこにもありませんでした。実際、第29期では条件がひとつ増えています。
私は株主優待を目当てに株を買ったことはありませんし、この記事も持ち続けた15年の記録として書いています。株を買うかどうかの判断は、優待の中身とは別のところで考えたほうが安全だと思います。
※本記事は株主優待の内容と通信の使い勝手を、15年保有した個人の記録として整理したものです。特定の銘柄の購入をすすめるものではありません。株主優待の内容・条件は毎期変更されることがあり、廃止される場合もあります。最新の条件は必ず楽天グループおよび楽天モバイルの公式サイトでご確認ください。
※PR・広告を含みます。
新しい記事を不定期で更新しています。よかったらまた読みに来てくださいね。

