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増えたらいいな、くらいの気持ちで買った株を、そのまま15年放っておいたらどうなったか。片方は+287%、もう片方は+46%で配当はゼロでした。同じ日に、同じくらいの金額で買った2銘柄です。
2010年9月24日、人生で初めて株を買いました。選んだのはDCMホールディングス(3050)と楽天グループ(4755)です。当時の投資知識はほぼゼロ。NISAもまだ始まっていませんし、リベ大も知りませんでした。
初めて買った株を、それから一度も売らずにいまも持っています。売らなかったのは信念があったからではなくて、単純に面倒だったからです。その「何もしなかった15年」に何が起きたのかを、口座の画面のまま書きます。
📌 この記事の結論
2010年9月に知識ゼロで買った2銘柄を15年持ち続けた結果、DCMは+287%で配当も増え、楽天グループは+46%で無配になりました。同じ日に同じ気持ちで買っても結果はここまで分かれます。当たった方も外した方も理由は後付けで、だから私はいま、資産形成の主軸をインデックスの積立に置いています。
2010年9月24日、知識ゼロで2銘柄を同じ日に買いました
きっかけらしいきっかけはありません。「株というものを一度やってみたい」という漠然とした気持ちと、「増えたらいいな」くらいの期待だけでした。本を読んだわけでも、誰かに相談したわけでもありません。
銘柄の選び方も、いま振り返ると理由と呼べるものではありませんでした。
- 楽天グループ:楽天市場と楽天カードを普段から使っていたから
- DCMホールディングス:当時「ホーマック」という名前だったホームセンターに、よく行っていたから
業績も財務も見ていません。知っている会社というだけで選んだのが実際のところです。決算書の読み方を覚えたのは、これよりずっとあとの話でした。
当時の楽天は「1株6万円」で買えました
ここは自分でも忘れていた部分です。いまの楽天グループは100株単位でしか買えませんが、2010年当時は単元株制度がなく、1株から買えました。株価は1株あたり6万円ほどです。
その後、楽天は2012年6月27日に1株を100株に分割し、同年7月1日から単元株制度を採用しました。私が持っていた分も、この日に自動的に100倍の株数へ増えています。証券口座の明細に「2012/06/27 入庫 単価0.00円」と残っているのはそのためで、この日に買い足したわけではありません。
ちなみに当時の楽天はジャスダック上場でした。東証一部へ市場を変えたのは2013年12月です。口座の明細に「JQ」と書いてあって、最初は何の記号か分かりませんでした。
15年後の結果|DCMは+287%、楽天は+46%で無配
2026年8月時点の口座画面が、そのままこの数字です。
| 項目 | DCM | 楽天グループ |
|---|---|---|
| 買った日 | 2010年9月24日(同じ日) | |
| 取得単価 | 396円 | 601円(分割後) |
| いまの株価 | 約1,535円 | 約880円 |
| 騰落率 | +287% | +46% |
| 直近1年の配当 | 47円/株 | 0円(無配) |
| 株主優待 | 買物優待券 | 楽天モバイル |
DCMは株価が約3.9倍になりました。ただ、持っていて効いたのは株価より配当のほうです。買った2010年の配当は1株15円、直近1年は47円。2015年に20円、2020年に30円、2025年に46円と上がってきて、この15年で一度も減っていません。
取得単価396円に対して47円ですから、買った値段に対する利回りにすると10%を超えます。これは「いまから買った人の利回り」ではなく、15年前の値段のまま持っている私の場合の数字です。同じ会社をいま買っても、この利回りにはなりません。
一方の楽天は+46%。悪くはないように見えますが、15年かけての+46%です。同じ期間にインデックスファンドを持っていた場合と比べると、明らかに見劣りします。しかも配当は2023年ごろから止まったままで、直近1年の受け取りはゼロでした。
同じ日に買ったのに、なぜここまで差がついたのか
先に書いておくと、これは私が買ったあとに調べて分かったことで、買う前に見抜いていたわけではありません。順番が逆です。
DCMはホームセンターです。派手に伸びる商売ではありませんが、店舗があって、日用品が売れて、利益が出て、その一部が配当として出てくる。地味な代わりに、その流れが15年ずっと止まりませんでした。株価が3.9倍になったのは結果であって、私が受け取り続けていたのは配当のほうです。
楽天は途中から携帯電話事業に大きな投資を始めました。自社回線を全国に敷くために巨額の資金を使い、その負担で赤字が続き、配当が止まりました。伸びる可能性に賭けている会社なので、賭けが実るまでは株主に回ってくるものがない、という状態です。
この2つを並べて分かったのは、「知っている会社かどうか」は結果と何の関係もなかった、ということでした。私は両方とも同じくらい知っている会社として選んでいます。それでも片方は3.9倍、片方は無配です。選んだ理由が同じなのに結果が正反対なら、その理由には意味がなかったということになります。
DCMが当たったのも、私に見る目があったからではありません。近所にホーマックがあった、それだけです。
暴落しても無配になっても売らなかった理由
楽天が下がっていく時期は何度もありました。携帯事業の赤字が報じられるたびに株価が落ちて、配当も止まって、含み損になった時期もあります。
そのとき何を考えていたかというと、「また上がるかな」くらいでした。真剣に売却を検討した記憶がありません。基本的に一度買ったら売らないというか、売る手続きをするのが面倒なんです。
売らなかったもうひとつの理由が株主優待でした。楽天の優待は以前は楽天トラベルの割引で、いまは楽天モバイルの回線が使えるものに変わっています。優待が届くと「まあ持っていてもいいか」という気分になるので、結果的に売らない方向に働きました。この優待の中身と実際の使い勝手は楽天モバイルのデメリット|田舎で7年使って分かった電波の本音のほうに詳しく書いています。
ただ、これを「握力が強い」とか「長期投資ができている」と言うつもりはありません。面倒で放置していただけで、たまたま結果が悪くならなかった、という順番です。もし2銘柄とも楽天のような展開だったら、いまごろ「個別株はやめておけ」という記事を書いていたと思います。
売らずに持ち続けることの意味は、むしろ積立のほうではっきり実感しました。その話は暴落が来ても積立を止めなかった話のほうに書いています。
15年持って分かった、配当と優待の「実際の手触り」
数字より、こちらのほうが個別株を持っている実感に近い部分です。
配当は、気づかないうちに消えています
DCMの配当は年2回入ってきます。これをどう使ってきたかというと、何もしていません。再投資もしていませんし、別口座に分けてもいません。証券口座に入ったまま、あるいは生活費の引き落としに紛れて、いつの間にか使ってしまっているのが実際です。
「配当を再投資して複利で増やす」という話はよく聞きますし、理屈は分かります。でも15年やってみた自分の実績は、そうなっていません。金額が生活費に埋もれる程度だと、意識して分けない限り再投資には回らないんだなと思いました。複利をきちんと効かせたいなら、自動で積み立てる仕組みのほうが自分には合っていました。
優待は、肥料になりました
DCMからは株主買物優待券が届きます。使い道は華やかでも何でもなくて、近所のDCMで庭の肥料や日用品を買うのに充てています。公式の案内によると、対象は毎年2月末時点の株主で、継続して保有している期間が長いほど金額が上がる仕組みです。
意外だったのは、優待券を使いに行く店の名前が途中で変わっていたことでした。買った当時は「ホーマック」でしたが、2022年9月に店名が「DCM」へ統一されています。株価のグラフを見るより、こっちのほうが15年経ったんだなと思いました。
気をつけておきたいこと
いいことばかり書いても仕方ないので、15年で見えたマイナス面も並べておきます。
- 配当は止まります。楽天がそうでした。業績次第で、あると思っていたものが翌年からなくなります
- 優待も変わります。楽天の優待は旅行の割引から通信の回線に変わりました。廃止する会社も増えています
- 2銘柄では分散になりません。私の場合は片方が伸びましたが、両方外す可能性も同じだけありました
- 結果が出るまで15年かかりました。途中で判断できる材料はほとんどありません
いま初めて株を買うとしたら、私はこうします
2010年の私は知識ゼロのまま2銘柄を買いました。その後、2020年ごろに投資を再開して、いまは資産形成の主軸を全世界株式のインデックスファンドの積立に置いています。個別株はそのまま置いてあるだけです。
15年分の自分の口座を見返して思うのは、2銘柄の結果が正反対だったこと自体が答えだったということでした。同じ日に、同じ理由で、同じくらいの金額を出して、片方は3.9倍で片方は無配です。この振れ幅を資産形成の中心に置くのは、家族5人の家計を考えると落ち着きません。
だからいまの配分は、積立を土台にして、個別株は増やさずそのまま、という形にしています。実際の比率はポートフォリオを全部公開した記事のとおりで、個別株は全体のごく一部です。
とはいえ、あの2010年の買い物が無駄だったとも思っていません。株価が動くこと、配当が止まること、優待が変わること、会社の名前まで変わること。この15年で見たものは、本を読んで得た知識より頭に残っています。ぶっちゃけ、いま積立を続けられているのは、個別株で値動きを先に見ていたからかもしれません。
なお、どの銘柄を買うべきかについては私には何も言えません。私が15年で分かったのは、自分の選び方には根拠がなかった、ということだけです。
積立をどこまで続けて、どこから取り崩すかという先の話は新NISAの出口戦略|いつ・どう取り崩すかに、40代で資産形成がどのあたりまで来たかはコーストFIREに40代でほぼ到達した話にまとめています。
📌 PR:私が2010年から個別株を置いたままにしているのも、いま積立をしているのも楽天証券です。口座の取引明細は15年前の1件目まで残っていて、この記事の数字もそこから拾いました。
同じように「昔買った株を放置している」という方の参考になれば嬉しいです。
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