40代で昇進したとき、スピーチの場で言葉が出なくなりました。
あの瞬間から、わたしの「人前で話すこと」との関係が大きく変わりました。うまく話せなかったことへの恥ずかしさはもちろん、それ以上に「なぜ急にこうなったんだろう」という戸惑いのほうが大きかった気がします。
その後、心療内科で「社交不安障害」という診断を受け、薬を飲みながら今も会社員を続けています。完全に克服したわけではありません。でも、同じ悩みを抱える方に、わたしが歩いた道のりをお伝えしたくて、この記事を書きます。
📌 この記事の結論
40代の昇進スピーチで吃ったことをきっかけに、社交不安障害という診断を受け、心療内科に通うことで人前で話せるように戻りました。完全な克服ではなく薬との共存ですが、同じ悩みを抱える方に「ひとりで抱え込まないで」という気持ちで記録を残します。
📋 この記事の目次
あの日、スピーチで何が起きたのか
あの日は全国の部の集会があり、約100名が集まっていました。そこで、昇進者が一人ひとりスピーチをするという流れでした。
理由は分かりませんが、その日は朝からいつもとは違う、非常に強い緊張を感じていました。もともとわたしは人前で話すことが得意ではありませんでしたが、それでも100名の前のスピーチで完全に固まるほどではなかったはずでした。
わたしの番が来た時、緊張のあまり声が上擦り、何を話しているか分からないほどの状態になりました。その瞬間、笑い声も聞こえました。昇進スピーチという場で部下や後輩から笑われる。人前でそんな状況に追い込まれ、恥ずかしさと屈辱感で、冗談ではなく死んでしまいたい気持ちでした。
あの15秒ほどの出来事が、その後の数ヶ月の人生を大きく変えることになります。
笑い声が忘れられない|恐怖と眠れない夜が続いた
あの日を境に、会議での発言やプレゼンの場が怖くなりました。「また吃ってしまったら」という恐怖が、頭から離れなくなりました。
夜も眠れなくなりました。1時、2時に目が覚めて眠れず、朝4時頃に1時間だけ眠るといった生活が続きました。仕事上、プレゼンの機会は多い立場でした。避けることもできない。でも近づくにつれて憂鬱になる。その繰り返しでした。
あの頃の心と体の状態
| 項目 | 具体的な状態 |
|---|---|
| 睡眠 | 1〜2時に目が覚め、朝4時に1時間だけ眠る |
| 食欲 | 朝は食べられず、昼も無理に食べる感じ |
| 会議前 | 胸の動悸、手の震え、声が出にくい |
| 休日 | 月曜の会議を考えるだけで憂鬱 |
| 気分 | 同僚と顔を合わせること自体が苦痛 |
だんだんと会社へ行くことも、同僚と顔を合わせることも苦痛になりました。それでも家族を養うため、休むという選択肢は持てませんでした。「気合いで乗り切る」を続けても、状態は良くなりませんでした。
心療内科の扉を開けるまでの葛藤
自分だけでは抱えきれないと感じたとき、心療内科に行くことを決めました。インターネットで症状を調べて、心療内科へ行ったほうが良いと書かれている記事を何度も読んだことも理由でした。
「心療内科に行く」ということへの抵抗感は、正直ありました。今まではせいぜい喘息でクリニックへ通うくらいで、心療内科は未知の世界でした。「心の病気」と診断されたら、職場でどう扱われるのか。家族にも言いづらいのではないか。そんな不安が、決断を3週間ほど遅らせました。
しかし、もうどうしようもないところでしたので、なんとかインターネットで職場近くの心療内科を探し、予約しました。電話予約の際に非常に緊張したことを今でも覚えています。
振り返ると、あのとき扉を開けて本当によかったと思います。受診のハードルが高いと感じるのは、たぶん多くの方が同じです。でも、その先には「楽になれる選択肢」が待っています。
「社交不安障害」という診断と薬による改善
受診した結果、診断は「社交不安障害」でした。
その後、毎月薬を処方してもらうことで、少しずつ気持ちが落ち着き、夜も少しずつ眠れるようになりました。完全に解決したわけではないですが、薬を飲むことでプレゼンも少しずつ以前のように行えるようになりました。
薬の種類や量は、人それぞれです。わたしの場合は処方された薬を毎日と、プレゼン前に飲む頓服を組み合わせています。具体的な薬名は記事の性質上書きませんが、同じような症状で悩んでいる方は、必ず専門医に相談してください。インターネットの体験談だけで自己判断するのは危険です。
厚生労働省の「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」には、症状の見極めや相談窓口の情報がまとめられています。受診前にまず読んでみるのもおすすめです。
今は頓服薬とともに|完全克服ではなく共存
今でも心療内科には通っています。プレゼンの際は頓服用の薬を飲んでいます。そのおかげもあって、今ではかなり良くなりました。
完全に「怖くない」とは言えないけれど、以前のように頭真っ白で何を言っているか分からないというような状況になることはなくなりました。その結果、憂鬱になることも減りました。
今思うと、当時はこの世の終わりくらいに悩んでいました。しかし、おそらくあの日のわたしのスピーチを今でも覚えている人は、ほとんどいないと思います。そんな誰も覚えていないことで悩むのもバカバカしいな、と思えるようになりました。
今はあまり考え過ぎず、「テキトーぐらいがちょうどいい」と考え方も変わりました。完全克服ではなく、薬と一緒に生きていく「共存」のスタイルです。それで十分なんだと、自分に許可を出せるようになりました。
同じ悩みを抱える方へ|伝えたい3つのこと
もし今、同じような症状で悩んでいる方がいたら、3つだけお伝えしたいことがあります。
① ひとりで抱え込まない
「気合いで治す」「もう少し我慢する」は、悪化する選択肢です。眠れない、食欲がない、会社に行きたくないが2週間以上続くなら、早めの相談を検討してください。家族でも、友人でも、産業医でも、心療内科でもいい。誰かに話すだけで、解像度が上がります。
② 心療内科は怖い場所ではない
わたしも受診前は身構えていました。でも実際は、内科に行くのと同じです。症状を話して、薬を処方してもらって、定期的に通う。それだけです。「心の病気」と診断されることへの抵抗感は、行ってみると意外と薄れます。
③ 完全克服を目指さなくていい
薬を飲み続けることに罪悪感を持つ人もいます。でも、メガネをかけて視力を補うのと同じです。心と体のバランスを薬で整えながら生きていく。それは決して負けではありません。
朝活と運動も助けになる|心と体の両輪
薬による治療と並行して、わたしを助けてくれたのは朝活と筋トレでした。
朝5時15分に起きて、冷水シャワーを浴び、筋トレを30分。この習慣で交感神経が刺激され、自律神経のバランスが整います。仕事が始まる前にすでに「今日も自分との約束を守れた」という小さな達成感があるので、日中の不安にも強くなりました。
筋トレの詳細は筋トレ3年で10kg減・レッグプレス188kg到達|転勤後の不調から始まった40代の運動習慣に書きました。運動はメンタルにも確実に効きます。
ただし、運動だけで社交不安障害が治るわけではありません。専門医の治療が大前提。朝活・運動は、その治療の効果を底上げしてくれる「両輪」だと考えています。
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📌 まとめ・結論
📋 社交不安障害と向き合う7つの要点
- 1昇進スピーチで吃ったことをきっかけに、人前で話せなくなった
- 2夜眠れない・会議が怖いという症状が2ヶ月以上続いた
- 33週間悩んだ末に心療内科を受診。社交不安障害と診断された
- 4毎日の処方薬+プレゼン前の頓服薬で症状をコントロール
- 5完全克服ではなく薬との共存スタイルで十分。メガネと同じ
- 6朝活と筋トレでメンタル底上げ。治療の効果を支える両輪
- 7誰も覚えていないことで悩むのは時間の無駄。テキトーぐらいがちょうどいい
もし今、人前で話すことが怖くて夜眠れない方がいたら、ひとりで抱え込まないでください。心療内科の扉は、思っているよりずっと開けやすいです。あなたの状態を客観的に見てくれる専門家の存在は、それだけで大きな救いになります。
朝5時ごろに新しい記事を更新しています。明日もまた、お会いできたら嬉しいです。

